施設の調理スタッフは、同施設で治療中の貧しい患者さんたちにご飯やお粥を作るため、毎日早朝から、医療施設に集まってきます。最高齢は70歳、一番下でも50歳を超えていますが、誰もが活発に働いています。それぞれの人は、野菜洗い、豚肉や魚の下ごしらえ、ご飯の炊き出しなどを分担します。

長年にわたってこのキッチンで働いているスタッフの一人の話です。

(テープ）

「我が家には3人の娘がいますが、みな結婚して、別々に住んでいます。私たち夫婦は二人きりで暮らしていますので、医療施設のキッチンで働くことにしました。夫は、市場で野菜や肉などの買い出しをして、ここへ運んでくれます。私は、調理をします。恵まれない患者を少しでも助けてあげることを喜びに思います。」

ガナム町を始めとするソクチャン省に住む一般人の生活にはいまだ様々な困難があります。そこで、貧しい人々にとって、病気になって、長期の入院治療費は大きな負担となります。ガナム町医療施設に入院している患者数は毎日100人ないし150人がいます。大多数は貧しい人々です。そこで、無料でもらう食事は、これらの患者の負担の軽減に寄与することでしょう。

その中の患者の一人は次のように語っています。

(テープ)

「私は、よくこの医療施設で長期治療しています。毎日、施設のキッチンスタッフからもらう昼食と夕食はとても助かっています。この施設で治療中の私たちのような患者たちは殆どが貧乏な人ばかりだからです。」

ガナム町医療施設の慈善キッチンは2009年に設立されて以来、全員の40人が7つのグループに分かれて、毎日、ご飯の炊き出しをしています。普段、朝食はお粥、昼食と夕食はご飯ですが、一日、350ないし400人分を提供します。

班長によりますと、毎月、スタッフらは、地元の支援者に現金やコメ、野菜などの提供を働きかけるという事です。また、患者向けの食べ物は、常に衛生と栄養の基準を満たしています。

(テープ)

「私たちは、この活動を行っている間に、経済的に困難なときがあって、途中に中止したくなった時もありました。でも、よく考えてみると、貧しい患者の負担を軽くする為に、現在までこの仕事を続けたのです。」

ソクチャン省のガナム医療施設の慈善キッチンのスタッフたちの行動がさらに広がることを期待しましょう。