クメール族の伝統音楽 次世代への継承に力

(VOVWORLD) - 大太鼓音楽は、婚礼や葬儀で演奏されるだけでなく、クメール人の信仰では神々と交信するための神聖な旋律とされてきました。
クメール族の伝統音楽 次世代への継承に力 - ảnh 1タンロック村第7集落のクラブによる大太鼓音楽の演奏

ベトナム南部のメコンデルタ地域で、少数民族クメール人に伝わる伝統音楽の継承が課題となっています。

(大太鼓音楽)

クメール人が受け継いできた「大太鼓音楽」。15種類の楽器で構成される楽団の中心となる大太鼓は、かつて村の祭りや冠婚葬祭に欠かせない存在でした。しかし今、この楽器を演奏できる人は急速に減っています。

大太鼓音楽は、婚礼や葬儀で演奏されるだけでなく、クメール人の信仰では神々と交信するための神聖な旋律とされてきました。

その文化的価値が認められ、2022年にはベトナムの無形文化遺産に登録されました。現在、カマウ省の2つの集落で受け継がれています。

そのひとつ、タンロック村第7集落で大太鼓音楽クラブを主宰するフー・バンさんに話を聞きました。

(音声)

「私たちクメール人は、安寧祈願祭、お正月チョルチュナムトマイ、セネドルタ祭で大太鼓を演奏します。演奏には完全な楽団が必要です。大太鼓を叩くときは踊らなければなりません。楽団の音に合わせて、大太鼓のリズムに乗って踊るのです」

フー・バンさんによりますと、大太鼓音楽は今やカマウ省とその隣のキエンザン省にしか残っていないということです。彼のクラブは各地の公演やフェスティバルに参加し、数々の賞を獲得してきました。

しかし、大太鼓音楽に精通している人のほとんどは高齢で、村にはフー・バンさんのような人が2、3人しか残っていません。そのため、若い世代への技術継承が極めて重要な課題となっています。
クメール族の伝統音楽 次世代への継承に力 - ảnh 2

 (会話音声)

フー・バンさんの孫、フー・チョン・ギアさんもクラブのメンバーです。祖父や年長者たちと公演に行くたびに、先祖から受け継いだ貴重な芸術を守る責任を実感するようになったといいます。

(音声)

「祖父が楽器を演奏する姿を見て、小さい頃から魅了されました。祖父が練習しているのを見ると、村の小さな子どもたちに大太鼓の演奏方法を教えられるよう努力して学んでいます。若い世代がこの芸術を絶やさず維持し続けることを願っています」

大太鼓演奏の伝統を持つ家庭に生まれたわけではない若者もいます。カマウ省のクメール族芸術団に所属するタック・ロットさんです。

演奏を始めた当初、楽団全体のリズムを率いなければならず非常に緊張したといいますが、今では熟練した演奏家となり、クメール人の重要な祭日に公演を行っています。

(音声)

「叔父や年長者で演奏できる人は非常に少なくなりましたが、それでも大太鼓音楽芸術を守り続けています。農作業は普通に続けながら、祭りの時には集まれる人が集まって演奏し、守り続けています。私は若いので、この芸術を守り、小さな子どもたちに訓練することに努めています」

地域の党支部も後継者育成を重要課題と位置づけています。第7集落の党支部書記、フー・トアンさんの話です。

(音声)

「大太鼓音楽芸術を保存・普及させるための方向性は、後世の子どもたちを訓練するためのクラスを開き、さらに拡大していくことです。父の世代から子どもたちの世代へ、文化を守り保存していくためです」

(大太鼓音楽)

クメールの人々にとって、大太鼓は民族の貴重な財産であり、信仰や精神生活における神聖な存在です。

世代を超えた伝承者や住民の努力により、国の無形文化遺産である大太鼓音楽は、ますます注目を集めています。そして、クメール人の素晴らしい民俗文化の価値を表現し続けています。

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