バナ族の水牛供犠祭り

水牛供犠祭りはバナ族の言語でスチャンと呼ばれ、神の供養を行い、豊作を祝うなど、新春を迎えるにあらり開催されるものです。この祭りは地元の条件によって規模は異なります。

バナ族の水牛供犠祭り  - ảnh 1
写真:vanhoahoc.vn

毎年旧暦12月から翌年3月までの収穫後に行われ、神の恩に報いて、人々の健康と幸福を祈願することが狙いです。中部高原地帯テイグエン地方・ダクラク省の民族博物館のガイド ダオ・ミン・ゴックさんは次のように語りました。

(テープ)

「水牛供犠祭りはバナ族にとって神聖な儀式です。生物供養祭とも呼ばれるこの祭りは神に供養する儀式や地酒を飲む儀式、銅鑼とシンバルの演奏、水牛のために泣く儀式などを済まさなければなりません。」

水牛供犠祭りは3日間にわたり行われますが、準備作業は数ヶ月もかかりそうです。健康な男性は水牛を縛り付ける為の木や籐を探しに行かせられます。日が昇った直後、祭りが始まります。供犠に肥えた水牛が選ばれ、綺麗に洗われてから籐の縄で5メートルの棒に縛り付けられます。棒は花や旗で華やかに飾られ、頂上に木製の鳳凰が置かれます。長老や若い男女、子どもたちは棒を回って歩きながらいいことを祈願します。

バナ族の水牛供犠祭り  - ảnh 2
写真:vanhoahoc.vn

一方、長老は神への供養を行った際、順調な天候や村人の健在、豊作などを祈ります。その後、銅鑼とシンバルが打ち鳴らされ、若い女性たちは輪をつくって、踊ると同時に、若い男性は武術公演を披露します。村人と観光客は地酒を飲みながら舞踊や武術演奏を堪能しています。一夜、祭りを過ごした後、祈祷師3人と長老2人は村人を代表して、神へ水牛を供養する儀式を行い、村落にいいことが訪れるよう祈ります。儀式終了後、村人は徹夜をし、水牛のために泣いています。同じく中部高原地帯テイグエン地方のコントゥム省に住む長老ボク・ニさんは次のように話しました。

(テープ)

「この祭りは順調な天候を祈るためのものです。また、村人に対し、力を合わせ、生産に励み、故郷の発展に取り組むよう、呼びかけることが狙いです。」

バナ族の水牛供犠祭りは民族の伝統を振り返り、若い世代に風俗習慣を教育する機会でもあります。また、この祭りはバナ族の文化の保存、ベトナム各民族の多様な文化の発展に寄与するものとされています。

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