バナ族の集会所ロン

ロン(Rong)という集会所は独特な建築物であり、バナ族コミュニティのコモンハウスとされています。これはコミュニティの団結と良いつき合い、自然と調和した生活スタイルを示すだけでなく、獣を避ける所でもあります。バナ族の集落なら、どこでもロンという集会所があります。これは多数民族キン族のディン(Dinh)という集会所に似ていますが、集落共通の家であるものの、礼拝場ではありません。

バナ族の集会所ロン - ảnh 1


バナ族の人々は集会所の建設に際し、貴重な樹木を選ばなければなりません。ロンという集会所の特筆すべきは垂木がないということです。家の骨組みは籐の縄で縛られますが、とても頑丈です。ロンという集会所の前面に幅広い回廊があり、屋根は厚さおよそ20センチの藁葺き屋根です。また、この家の高さはおよそ12メートル、幅は8メートル、長さ12メートルで、およそ80人から100人が入れます。他方、集落の裕福を示すため、高さ18メートルの集会所を立てる村もあります。高床は地面からおよそ2メートルで、両側に階段があります。また、男性用の階段は左側に、7つのステップがあり、女性は右側に、9つのステップあります。さらに、真ん中にも階段がありますが、これは長老用の階段とされています。

ロンという集会所には集落の神聖な品々が保たれて、男性しかこの集会所に泊まることができません。バナ族の考えによりますと、集会所は集落の重要な用事を話し合い、伝統文化を教育する所とされています。この集会所に足を運ぶとバナ族の文化、風俗習慣に少し触れることができます。観光客の一人グエン・ホアン・タンさんの話をお聞きください。

(テープ) Tan

「こうした集会所を見学するのは初めてです。面白く感じました。少数民族の文化への理解を深めたいと思います。家の装飾や道具の配置し方は暖かい気持ちになります。」

ロンという集会所は芸術性ある建築物であり、バナ族の誇りともなって、文化色を表しています。それで、ロン集会所の保存と発揮は重視されています。中部高原地帯コントゥム省の文化部門の調査結果によりますと、少数民族の625ヶ所の集落ではロン集会所260軒だけが残っているということです。先頃、同省行政当局の支援を受け、バナ族出身の芸人らはハノイの民族学博物館でロン集会所を建てました。同博物館のリュ・フン副館長は次のように語りました。

(テープ) Hung

「バナ族の伝統家屋をはじめ、民族文化は消えつつあります。適切な保存政策を取らなければ、こうした古い建築物は過去のものになってしまいます。民族学研究者として独特な建築物が失われることは残念に思います。」

ベトナムの民族学博物館はコントゥム省行政当局と協力し、館内にロン集会所を再現したことにより、参観者はバナ族の文化への理解を深めてもらうことができるようになります。一方で、これは民族文化の保存と発揮に向けての努力の一例であるとみられています。

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