(VOVWORLD) -
2026年の旧正月テトが近づくなか、ベトナム中部ハティン省マイフー村バオアン集落では、伝統的な線香作りが最盛期を迎えています。
バオアン村の線香作りは50年以上の歴史を持ち、ベトナムの有名な伝統工芸村として認定されています。一年を通じて生産されていますが、年末は特に忙しく、原料を運ぶトラックや製品を出荷する車が村を絶え間なく行き交います。
マイフー村農民協会のレ・ティエン・ルオン会長は次のように述べています。
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「10月中旬頃から、住民たちは機械の整備や原料の調達を急ピッチで進めてきました。クアンチ省やゲアン省など、省内外の需要に応えるためです。この仕事は地域の雇用を生むだけでなく、先祖から受け継がれた伝統工芸を守ることにもつながっています」
長年この地で製造に携わるファム・トゥ・ヒエンさんは、次のように明らかにしました。
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「テト直前は作業時間を延長し、袋詰め作業などに人員を集中させています。ハノイやホーチミン、ダナンといった大都市への出荷も急いでいます」
バオアン集落の線香の特徴は、その厳選された天然原料にあります。シナモン、カルダモン、丁子(クローブ)など、10種類から30種類もの生薬を配合するものです。
30年以上製造を続けるニン・ヴァン・ロンさんは、次のように明らかにしました。
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「最も重要なのは安全な原料を使い、生薬を調和させることです。それにより、人々の心を落ち着かせる香りが生まれます。粉砕、調合、成形から乾燥まで、どの工程も疎かにはできません」
高品質な線香を作るため、職人たちは原料の調合から、線香の成形、乾燥に至るまで、数多くの工程を積み重ねます。
長年製造に携わっているレ・ティ・リエンさんは、そのこだわりを次のように語っています。
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「線香作りの工程は、まず香粉やその他の原材料を選ぶことから始まります。香粉は、メラルーカ、カナリウム属の実、生薬、シナモン、おがくずなどを混ぜ合わせたもので、これに芯となる竹ひごを加えます。 まず、粉末を混ぜて均一に攪拌します。次に、水を加えてさらに練り上げ、圧力をかけて線香の形に整えていきます。形が整ったら、香りを長く保たせるために天日干しにして完成させます」
機械化が進むなかでも、色の調合や繊細な成形をあえて手作業で行う家庭も少なくありません。その独特の風味が人気を呼び、近隣省からも買い付けに訪れます。
ゲアン省から仕入れに来たダン・ティ・ビックさんは、次のように述べています。
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「ここのお線香は香りが上品で、燃えた後の灰が美しく丸まるのが特徴です。テト期間は需要が非常に高まるため、通常より多く仕入れています」
伝統の継承と発展を経て、ハティン省バオアン集落の線香作りは高い経済効果をもたらしており、数十世帯の雇用創出と所得の安定向上に寄与しています。
マイフー村人民委員会のレ・ヴァン・タン事務局長は次のように明らかにしました。
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「常雇用の労働者は119人にのぼり、繁忙期にはさらに多くの季節労働者が加わります。統計では、常時雇用労働者の月収は1500万ドン~2000万ドン(約9万〜12万円)に達しており、地域経済の柱となっています」
テトの祭壇に供えられる一本の線香は子孫から先祖への感謝の気持ちであり、ベトナムの美しい伝統文化そのものです。バオアン集落の人々は、自分たちの手で作る香りが、国の春を彩る一助となっていることに誇りを感じながら、今日も作業を続けています。