今年上半期、ベトナムの農業生産高は伸びを見せており、輸出額は昨年同期と比べ、14%増となっています。しかし、農業部門は農産物価格の低下、輸出市場の不安定、輸出先の貿易障壁など様々な試練に直面しています。今年の農産物輸出額を260億ドルにするという目標をいかに達成するかは大きな課題となっています。
今年上半期、農業部門の成長率はおよそ2.8%に達し、計画を上回っています。また、農・林・水産物生産額はおよそ50億ドルを超え、その輸出額は136億ドルに達しています。また、農業部門の貿易剰余価値は57億ドルで、輸入超過の削減に寄与してきました。こうした結果を見ると、国内外の経済が衰退している背景の中で農業部門は安定した発展を遂げ、、経済の重要な支えとなっていることが分かります。ただ、農業農村開発省のカオ・ドック・ファト(Cao Duc Phat)大臣は農産物の輸出額が増加したものの、世界市場の困難な状況や農産物価格の低下は農産物の輸出に直接的な影響を与えたとの見解を示しています。
その一方で、ベトナムの農産物の商標が保護されていないことから、農産物価格が外国価格を下回るものとなっていることは農産物の輸出量の減少に導く主な原因となっています。ちなみに、この間、チャという魚の輸出は困難な状況に陥っており、輸出活動に悪影響を与えてきました。ベトナム水産物加工輸出協会によりますと、現在、同分野に携わる企業の70%は赤字状態になっています。ナムベト株式会社のゾアン・トイ(Doan Toi)社長はチャ魚加工企業が生産用の資金を手にし、発展政策に関するコンサルタントを提供されるためには国家の援助を必要とするとの見解を示し、次のように語りました。
(テープ)
「力を尽くしている人と効果的な活動を行っている企業経営者を優先させる必要があります。輸出の促進を目指し、彼らに対し、優遇政策を適用し、低金利融資を提供する必要があります。政府が企業に補助金を出すことはいいことだと思います。」
トイ社長はこのように語りました。
輸出市場に関して、農業農村開発省は困難の解決策に集中し、また、市場の動きを見極めた上で、農民の生産活動に必要な情報を提供しています。これにより、農民や企業は適切な植物の栽培と動物の飼育を定めることができるようになります。また、農業農村開発省は政府に対し、主な農産物に対する補助を行うとともに、生産発展計画を調整し、先進技術の導入を進めるよう提案しました。さらに、同省は貿易障壁の処理に取り組むと同時に、各企業に対し、市場開発に力を尽くすよう求めました。同省はアメリカ、日本、欧州諸国など、従来の市場のほか、中国市場の開拓は重要だとしています。これまで、両国は農産物の取引を進めてきました。商工省のランソン(Lang Son)省での輸出入管理室のグエン・クォク・ハイ副室長は次のように語りました。(テープ)
「集中的に、統一した輸出計画が作成されておらず、公約は厳格に実施されませんでした。それで、ベトナム企業は損害を被り、輸出の促進ができなかったのです。ベトナム企業は中国に関心を払うべきであり、また、輸出の強化と利益の確保を目指し、具体的な生産計画を立てる必要があります。」
ハイ副室長はこのように語りました。
年末までの農産物輸出額を260億ドルにし、農業部門を重点的な経済部門に位置づけるという目標を達成するためには、持続可能な発展に向けての農業再構築を強化し、農業生産の困難が解決されなければなりません。