今からちょうど14年前の2001年10月7日、アメリカの当時のブッシュ大統領はアフガニスタンでのテロとの戦いを正式に開始しました。しかし、アフガニスタンは依然として不安定で、平和と発展への道のりは未だわからない状態です。
タリバンの戦闘員(写真:PressTV)
紛争の長期化
2015年1月1日に、NATO北大西洋条約機構はアフガニスタン政府に治安権限の委譲を行ないました。しかし、アフガニスタン情勢は改善どころか、悪化しています。アフガニスタン反政府武装勢力タリバンによる攻撃は多発しており、大きな人的被害をもたらしています。
先月、タリバンは1千人を動員し、アフガニスタン政府軍の7千人が駐屯している同国北部の都市クンドゥズを攻撃し、掌握に成功しました。タリバンとアフガニスタン政府の14年にわたる対立の歴史の中で、これは前例のないことで、同国政府軍の非力の証です。
また、過激派組織イスラム国ISの支持者が増えつつあり、タリバンの約1割がISを支持しているとの推定があります。こうした中、アフガニスタン政権内では、対立が浮き彫りになっています。先頃、同国の国会は、アシュラフ・ガニー大統領が推薦した新国防大臣を否定しました。また、野党勢力は憲法を利用してガニー大統領を退陣させる可能性について触れています。
経済停滞
2015年、欧州で、アジアとアフリカからの難民問題が深刻になっています。15万人以上の難民のうち、アフガニスタンからは36%を占めており、内戦が続いているシリアに次ぎます。アフガニスタンの多くの人たちは治安悪化と経済停滞のせいで難民生活を余儀なくされました。
アフガニスタンの総人口の約3分の1が、1日に1ドル以下の収入しかありません。また、成人の約3分の2は無学文盲です。それに対し、国連の報告によりますと、アヘンの栽培面積は過去最高で、アヘンの密売が深刻な問題になっています。
アメリカの主導によるテロとの戦いが始まってから14年たちましたが、こうしたアフガニスタンはいつ平和に戻るのかわからない原状です。