イランの核開発問題で軍事利用の疑いを検証するためイランを訪れていたIAEA=国際原子力機関の調査団が1日、今回の調査を終えて本部のあるウィーンに戻り、近くイランを再び訪れて調査を続ける考えを示しました。これはイランの核開発問題解決プロセスにおける新たな動きとみられますが、イランと西側諸国との緊張関係や、戦争勃発機器などに関する懸念がまだ残っています。
イランの原発
イランの核兵器開発疑惑の解決を目指し、同国を訪問していたIAEAの高官級調査団は31日、イラン側との協議を終えました。イラン当局者側も、調査団側も「建設的だった」や「いい協議ができた」などと、双方とも一定の評価をしていますが、具体的な進展状況は不明です。地元のファルス通信は「今後も協議を継続することで両者が合意した」と伝えました。次回の日程は不明です。
一方、ロイター通信によりますと、国営のアラビア語衛星放送アルアラムは「技術的、法的な問題だけが協議された」との当局者の話を報じました。調査団は今回、核関連施設の立ち入りはしなかったということです。
調査団の団長でIAEA事務次長のナカーツ氏は1日、イランからウィーンに到着し、「われわれは全ての問題解決を目指しており、イラン側も同じ考えであることは確かだ」と報道陣に語りました。その上で「まだ多くのやるべき仕事がある」とし、近日中に調査団が再度、訪問するとの見通しを示しました。
IAEAは、起爆装置の実験施設の情報など核兵器開発に絡む疑惑を指摘し、調査団の受け入れを要請しています。
こうした中、欧米諸国はイラン向けの制裁措置を強化しており、イランの各プログラムを停止させるためにあらゆる手段を講じる強固な姿勢を示しています。
イランの潜水艦
アメリカ情報機関をとりまとめるクラッパー国家情報長官は31日、イラン指導部がアメリカ国内で攻撃を仕掛ける意思を強めているとの警戒感を示しました。また、ウラン濃縮技術の進展でイランが「核兵器生産の科学、技術、工業的な能力を得たとの判断を強めている」としました。
これらの動きから見れば、イランの核問題に関する妥協策を模索するプロセスが今後も難航すると言えます。
キム・フエン