イラン核開発問題の交渉難航

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3月29日のイラン核開発問題の解決に向けた交渉(写真:ロイター)

イランと国連安全保障理事会の常任理事国にドイツを加えた6か国は、核開発問題の解決に向けた最終合意の枠組みを3月31日までにまとめようと、スイスのローザンヌで交渉を行っています。
核開発を制限する期間などについて依然として隔たりがあるもようで、妥協点を見いだすため、関係国は外相らによるぎりぎりの交渉を続けることにしています。

大詰め協議
3月30日は、イランのザリーフ外相やアメリカのケリー国務長官など、すべての関係国の外相による全体会合も開かれましたが、欧米メディアは交渉関係者の話とし て、イランの核開発を制限する期間や、イランにかけられている制裁の解除の方法など、主に3つの争点で隔たりが残っていると伝えています。また、イランの実質的な交渉責任者を務めるアラグチ外務次官は、イランメディアに対し、外相会合では突っ込んだやり取りがあったとしたうえで、「複数の問題でさらに議論が必要だ」と述べ、解決策を見つけるにはまだ時間がかかるとの認識を示しました。一方、イギリスのハモンド外相は「枠組みをまとめるために集まったが妥協はしない。イランは難しい判断を迫られている」と述べています。

圧力と阻害

アメリカ共和党の議員らはイランの指導部に対し、アメリカと核開発問題をめぐる合意に達したとしても次期アメリカ大統領によって合意は破棄される可能性があると警告する書簡を送付しました。書簡の中で議員らは、オバマ大統領が2017年に退任するまでに合意する協定はいかなるものでも「オバマ大統領とアリ・ハメネイ師との間の行政協定にすぎない」とし、「次期大統領はそのような行政協定を一筆のペンで覆すことが可能で、将来の議会も協定の内容をいつでも修正することができる」と述べています。

一方、アメリカ下院のベイナー議長は、国連安全保障理事会常任理事国とドイツの主要6カ国がイランと続けている交渉が妥結するかどうかに関し「深刻な疑問」を持っていると指摘し、イラン政府を「約束を守る意思が全くない」と厳しく批判しました。

2013年11月の暫定合意では、イランのウラン濃縮活動などを凍結させることと引き換えに主要国側は経済制裁を一部緩和しました。しかし、ベイナー 議長は、イランに対する過去の制裁があったからこそ、交渉が可能になったと指摘しました。「制裁を維持していれば本当の合意が得られた」と主張しました。そして、合意 がなければ追加制裁は「極めて早期にやってくる」と述べました。

現在の交渉は、イランが一定数のウラン濃縮用遠心分離機を維持するなど核開発能力を維持する方向に進んでいるとされます。アメリカ議会やイランを敵視する親米国イスラエルはこれに強い懸念を表明しています。ネタニヤフ・イスラエル首相は「核兵器獲得を確実にするものだ。ない方がよい」と厳しく批判しました。

このように双方とも相手側が譲歩すべきだと主張しており、最終合意の枠組みがまとまるかどうか交渉は大きな山場を迎えています。

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