3日、グエン・タン・ズン首相は6日までの日程で、ポルトガルとブルガリアへの訪問を開始しました。この2カ国はEU=欧州連合加盟国同士で、ベトナムとの良好な関係があります。今回のズン首相の訪問は、経済をはじめ、あらゆる分野におけるベトナムとこの2カ国との協力関係の強化を目指すものです。
ポルトガル政府の代表がズン首相を出迎える
ズン首相の訪問は、ベトナムとブルガリアが国交樹立65周年を、そして、ベトナムとポルトガルが国交樹立40周年を迎える背景の中で行われています。この2カ国はベトナムを通じて、2016年誕生するASEAN経済共同体との協力関係を促進することを望んでいます。
ポルトガルとの関係
フランスとポルトガルに駐在するグエン・ゴック・ソン大使によりますと、ズン首相のポルトガル訪問は特別に重要な意義があります。というのは、これはベトナム首相の最初のポルトガル訪問だからです。
また、両国関係が40年の歴史を持っているものの、その協力関係が双方の潜在力にまだ相応しくない背景の中で、両国世論はこの訪問に期待をかけています。ソン大使は次のように語りました。
(テープ)
「ズン首相のこの訪問は、両国関係を新しい発展段階に押し上げます。今回の訪問の際に締結される協力文書は両国に多くのチャンスを与えます。また、両国間の相互理解も深化します。特に、この機に、両国企業フォーラムが開催され、100社の企業を集めます。これは経済協力にとって大きな前提となります。」
今回のズン首相のポルトガル訪問の際に、双方は、二重課税防止協定や、両国の外務省の協力協定、観光協力協定などが締結される見通しです。特に、ズン首相とポルトガル首相は海洋経済フォーラムを共催し、50カ国とOECD=経済協力開発機構、FAO=国連食糧農業機関など国際組織の代表多数が参加する予定です。
これに関し、ソン大使は次のように語りました。
(テープ)
「ポルトガル側はズン首相の訪問を重視し、首相に対しこの海洋経済フォーラムを共催するよう招きました。これを通じて、ベトナムは海洋問題に関する国際社会の関心をさらに理解できるようになります。また、ベトナムの環境保護事業にも役立つと思います。」
ブルガリアとの関係
ポルトガル訪問の後、ズン首相はブルガリアを訪問します。ブルガリアは、ベトナムとの国交を樹立した最初の10ヶ国の中の1つであり、この65年間、ベトナムを積極的に支援してきました。近年、両国間の経済関係がますます発展しています。
両国間の貿易額は2006年に1850万ドルしかありませんでしたが、2014年に9000億ドルに増加しました。こうした中、ベトナムとブルガリアは経済関係を促進していく方針を打ち出しています。ベトナムのレ・ドゥク・リューブルガリア大使は次のように明らかにしています。
(テープ)
「今回の訪問に当たり、首相の支持に従って、各省庁の大臣や、次官らが、ブルガリア側の代表と会って、協力強化策などについて意見交換します。その中で、貿易障壁の撤廃や、農・林・水産物の輸出入などの重要な議題があります。」
ベトナムは、ブルガリアや、ポルトガルとの関係の強化を重視しています。一方、この2カ国もベトナムとの関係を優先課題と見做しています。こうした中、今回のズン首相の訪問は成功し、これらの関係の強化に寄与するのは間違いないでしょう。