テロとの戦いにおける欧州

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独仏英の首脳らが参加する反テロ行進(AFP)

先週、フランスで新聞社を襲撃し、警官射殺、ユダヤ系食材スーパーでの人質殺害が相次ぎ、17人が犠牲になった銃撃事件後、欧州諸国はテロとの戦いがさらなる緊密となってきました。パリなど各地に広がった反テロ行進の後、欧州諸国は、同様の事件に対応する為、最高レベルの警戒措置を取ってきました。

欧州諸国、警戒感を高める

イギリスのキャメロン首相は、フランスでの連続テロ事件を受け、国外からの武器流入防止で取り締まりを厳しくするなど、テロ警戒態勢を一層強める方針を明らかにしました。また、同首相は、治安・情報当局幹部とフランスでの事件について協議しました。出席者は同様のテロがイギリス国内でも起きる可能性を踏まえ、武器密輸への対策を強化するとともに、対テロ訓練の内容を見直すことで合意しました。

犠牲者の黙禱が捧げられた議会で演説したバルス首相は「これはテロやイスラム過激主義との戦争だ。イスラム教やイスラム教徒への戦争ではない」と強調しました。また、「フランスは友愛の精神があり、寛容な国だ。だれをも受け入れる」と力を込め、ユダヤ人らを守るとともに、イスラム教のモスクへの嫌がらせなどが相次ぐ現状に、「イスラム教徒の保護も緊急の課題だ」としました。

フランス政府は治安要員の増員を重ね、新聞社の周辺などには夜を徹して警官らを配置しています。また、ユダヤ系の学校などの警備も強化しています。

このようの中、ドイツのメルケル首相は、国際情報機関に欧州全体と世界の情報交換に向けてさらなる緊密な協力を呼びかけました。また、今月中に、ドイツ司法省は、テロ組織への支持、支援を阻止するあらゆる措置を盛り込む新規法律を政府に提出する予定です。

イタリアのレンツィ首相は、フランスの新聞社銃撃事件の容疑者らが人質を取り立てこもった現場で治安当局の突入作戦が終了した後、短文投稿サイトのツイッターで「恐怖で私たちが変わることはない」とコメントし、テロと戦う決意を示しました。また、同首相は、欧州諸国による共同情報機関の発足を提出しました。

既存の試練      

欧州警察機関(ユーロポール)のウェインライト長官は、EU=欧州連合加盟国の国籍を持ち、“聖戦”に加わるためシリアなどへ渡った3千~5千人の若者らが将来、欧州に戻り、フランスで起きたようなテロを起こす恐れがあると警告しました。同長官はイギリス下院の委員会で、ソーシャルメディアが宣伝・勧誘手段として悪用されており、技術を持つ企業の協力を得て、当局が監視できる法整備を行う必要性があると訴えました。

EUテロ対策担当官 ジル・ド・ケルコーヴ氏は、フランスでの相次いだ銃撃事件のようにテロ攻撃を絶対に阻止する方法はないと認定しました。

テロリストとの戦いは長引きます。この戦いでは、それぞれの国の断固たる行動計画以外に、欧州諸国はより幅広く全面的な協力を必要としています。

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