ドイツの大連立政権樹立をめぐる問題

(VOVWORLD) - 既にお伝えしましたように、4日、ドイツのメルケル首相率いる第1党の保守CDU・CSU=キリスト教民主・社会同盟と第2党の中道左派SPD=社会民主党による大連立政権樹立を目指した交渉が行われ、大詰めを迎えました。

ドイツでは昨年9月の総選挙後に連立づくりが難航しており、政治空白が4カ月以上続き、EU=欧州連合加盟各国に懸念が広がっています。

大連立は安定政権樹立に残された唯一の選択肢で、両党は1月末、本格交渉に入っていました。今回の交渉は当面の期限とされた4日に決着せず、翌5日も続行することになりました。

ドイツの大連立政権樹立をめぐる問題 - ảnh 1

進展

4日の連立交渉では、住宅政策や、デジタル化、地方自治体の政策支援などに合意しました。SPDのクリングバイル幹事長は、「建設的な日だった。多くの分野で合意に至った」と説明しました。

5日の交渉では、両陣営の幹部が医療保険制度改革を巡り意見の隔たりを埋めようと努めましたが、合意に至らず、双方とも、「合意は間近」との見方を示しています。

EU政策については合意があります。シュルツ党首はツイッターで、「合意にはユーロ圏への投資拡大と緊縮政策の終了が含まれる」と明らかにした。また、双方は、欧州においてより公平な法人税課税を求めることでも一致しました。

国内政策では、不動産税の抜け穴をふさぐ措置や、イギリスのEU離脱後の金融業界強化策に合意しました。これらの合意は、交渉プロセスの明るい展望を示しています。また当事者がドイツ国内と欧州連合の安定に対する連立政権の重要性を十分に認識していることの証とも見られています。

また、これらの合意は、CDU・CSUとSPD間の立場の隔たりを縮小するための前提となっています。しかし、障壁も残っています。

障壁

 最終合意に向けて残された交渉課題は短期雇用契約の扱いと医療保険制度改革となっていますが、これらは大きな障壁と見られています。SPDは、党内の左派勢力の説得にはこの2つの課題でSPDに有利な合意を取り付けることが重要と考えています。

SPDは雇用主が正当な理由なく短期の雇用契約を結ぶことの禁止を提案しています。CDU・CSUは有期雇用契約の禁止を望まない代わりに、譲歩案として短期雇用契約の更新繰り返しを防ぐ措置を提案しています。

医療保険制度を巡っては、SPDが公的保険と民間保険による二重制度の一本化を求めていますが、CDU・CSUはこの改革案を拒否しています。

SPDのシュルツ党首は、「合意は可能だが、まだ合意に至っていない」と語りました。一方、CDUのストローブル副党首は記者団に対し、「連立合意を見込んでいる」としながらも、「もう少し時間が必要だ」と述べています。

ご感想

他の情報