トルコ総選挙を巡る問題


トルコでは1日、総選挙が行われ、与党が過半数の議席を獲得して、単独で政権を担うことが確実となり、相次ぐテロなどに治安が不安定化するなか、国の安定には単独政権が必要だなどと訴えた与党が、治安や経済の安定を求める国民の幅広い支持を集めたとみられています。


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トルコ有権者多数がAKPを支持(写真:EPA)

地元のメディアは、ことし6月の総選挙で初めて過半数割れした与党AKP=公正発展党が、過半数の議席を大きく上回る316議席を確保し、単独で政権を担うことが確実になったと伝えています。


与野党の反応

与党AKP=公正発展党が議席の過半数を確保して単独政権を担うことが確実になったことについて、AKPの党首を務めるダウトオール首相は首都 アンカラにある党本部の前で演説し、「トルコと国民が勝利した。単独政権として任務を続けていく」と勝利を宣言しました。

そのうえでダウトオール首相は、 「トルコのあらゆる分裂や衝突、それに緊張を取り除いていく。われわれは今後もテロとの戦いを続けていく」と述べ、過激派組織IS=イスラミックステート によるとみられる爆弾テロ事件やクルド人武装組織との衝突が相次ぐなか、対テロ作戦を継続していく考えを示しました。

ことし6月の総選挙で与党の議席を奪う形で大きく躍進したものの、今回、大幅に議席を減らした、クルド系政党のデミルタシュ党首は、「選挙戦そのものが難しかった」と述べ、政府軍とクルド人武装組織との間で衝突やテロが相次いだことなどが影響したとの見方を示しました。

前回とほぼ同じ議席数を獲得する見込みとなった、最大野党の共和人民党は、「国民の意思を尊重するが、選挙の結果をよく分析しなければならない」と述べるにとどまりました。


選挙後の試練

トルコでは、政府軍が、過激派組織IS=イスラミックステートや、クルド人武装組織への軍事作戦に乗り出し、先月にはアンカラで100人以上が犠牲となる爆弾テロ事件が起きるなど、治安が不安定になっていました。

このため今回の選挙戦では、与党AKPが国内の安定には単独政権が必要だと訴え、組織力を生かした選挙戦を展開し、治安や経済の安定を求める野党支持層の一部からも支持を集めたとみられています。

ただ、クルド人が多く住むトルコ南東部では、選挙結果に不満を持った野党支持者と治安部隊が衝突したという情報もあり、トルコでは治安が安定に向かうか、なお予断を許さない情勢です。



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