既にお伝えしましたように、15日、ウクライナのミコラ・アザロフ首相はベトナムのグェン・タン・ズン首相の招きに応え、2日間のベトナム公式訪問を開始しました。ベトナムとウクライナとの関係が良好に発展している背景の中行われたこの訪問は両国間の友好、協力の強化に寄与するものと評価されています。
ベトナムとウクライナとの関係はソ連崩壊後も維持・発展しています。貿易関係に関しては、この2~3年間、世界的な経済金融危機の影響により、両国間の商取引額が減少しましたが、2011年から増加の傾向に戻りました。統計によりますと、同年にその額は3億ドルに達しました。双方は貿易額を増加させるために様々な措置を取っており、その中、ウクライナはベトナムの水産物輸出分野に最恵国待遇を与えました。
2011年11月に行われたズン首相のウクライナ訪問の際に、双方は両国関係を全面的協力・パートナーシップに格上げすることを決定しました。
ズン首相は次のように語りました。
(テープ)
「農産物や水産物の輸出入を含む貿易関係強化のために、両国の政府合同委員会は植物検疫に関する議定書を早期に作成する必要があります。これは両国間の貿易障壁の撤廃に条件を作り出します。続いて、両国企業に対し農産物生産・加工向けの投資を強化するよう奨励することも欠かせないのです」
ズン首相はこのように語りました。
さて、投資関係に関しては、現在、ウクライナはベトナムで2400万ドル相当の投資プロジェクト4件を、そして、ベトナムはウクライナで260万ドル相当の投資プロジェクト4件を行っています。特に、最近、ベトナム通信会社ベトテル社はウクライナで6億ドル相当のブロードバンドインターネットプロジェクトを実施する計画だということです。
ほかの分野での協力に関しては、これまで、両国は海運や、空運、文化、科学、二重課税防止などに関する20の協定を締結しました。特に、教育は両国間の協力の重要な役割を果たしています。現在、ベトナム人学生約1400人はウクライナに留学しています。
ウクライナで留学したことのあるハノイ市のベトナム・ウクライナ友好協会のディン・タン・フン(Dinh Tan Hung)副理事長は次のような感想を述べています。
(テープ)
「ウクライナは私の第2の故郷となっています。若いころ、ウクライナで勉強しましたので、ウクライナの人々、文化、習慣などを理解できました。その理解を活用して、両国関係の強化に寄与したいのです」
フン氏はこのように語りました。
両国関係だけでなく、ベトナムとウクライナは国際フォーラムでも支援し合っています。こうした中、今回のアザロフ首相によるベトナム訪問が両国関係を新しい発展段階に押し上げると期待されています。