この訪問はベトナムと欧州諸国との関係、及びベトナムの多国間関係を強化することが狙いです。

また、この訪問はドナルド・トゥスク欧州理事会議長、ジャン＝クロード・ユンケル欧州委員会委員長、オーストリアのセバスティアン・クルツ首相、ベルギーのシャルル・ミシェル首相、デンマークのラース・ロッケ・ラスムセン首相の招きに応え行なわれるものです。

多国間協力を促進

第12回ASEM＝アジア・欧州首脳会議は「世界的課題のためのグローバルパートナー」をテーマにしています。

1996年、ベトナムはASEM＝アジア欧州会議に加盟して以来、ASEMの積極的で責任感あるメンバーとしてASEMの発展に貢献してきました。具体的に、ベトナムは2004年10月にハノイで開催された第5回アジア欧州会合、及び2009年もハノイで開催されたASEM第9回外務大臣会合で将来のメンバーシップ拡大というASEMの将来に関する議論に積極的に参加した他、「より緊密なASEM経済パートナーシップ」に関するハノイ宣言や「文化と文明間の対話」に関するASEM宣言などを採択しました。

これまで、ベトナムは24件の構想を提出し、文化、医療、交通運輸、エネルギーの安全保障、グリーン成長、社会保障、包摂的な成長、デジタル・エコノミーなどに関する27件の構想の実施を支援しています。また、ベトナムは他の加盟国に先駆けて、「持続可能な開発目標」に関するASEM対話を提唱し、ドナウ川とメコン地域における持続可能な水資源の開発、管理に集中しています。

デンマークで開催される「グリーン成長とグローバルゴールズ2030のためのパートナーシップ」首脳会議では地球規模のグリーン成長と持続可能な開発の促進を目指す対策や方向、ビジョン、行動計画などが提出される予定です。

二国間協力を推進

２つの国際会議に出席する際、フック首相はオーストリア、ベルギー、デンマーク、欧州連合を訪問し、これらのパートナーとの関係の強化を目指しています。ベトナムとオーストリアの関係、とりわけ貿易関係は前向きな発展を遂げています。2017年、双方の商取引額は40億ドルを越え、2016年と比べ、42%増となりました。オーストリアは欧州におけるベトナムの第6位の輸出先となっています。

ベトナムとベルギーは1973年、外交関係を樹立しました。この45年間、両国関係は絶え間なく発展しています。両国は国連をはじめ、ASEM、ASEANｰEUなどの国際場裏で積極的に連携しています。デンマーク政府はベトナムの気候変動対策にかかる国家目標プログラムの実施支援を目的として4千万ドルの無償資金協力を行っています。

こうした中、ベトナムとEU＝欧州連合の関係は前向きな発展を見せています。EUは中国とアメリカに次いでベトナムの第3の貿易パートナーとなり、2017年の双方の商取引額はおよそ504億ドルに達し、2016年と比べ、11.9%増となりました。EUは対ベトナムODA供与で第一位に立っています。

今回、行なわれるグエン・スアン・フック首相の欧州訪問は欧州諸国との関係を強化し、多国間外交活動を推進すると同時に国際場裏での地球的問題の解決に貢献することを目指すものです。