ベトナムとEU間のFTA交渉終了を公表する記者会見で、フランツ・イエセン大使とホアン商工大臣
4日、 EU欧州連合は、EUとベトナムによるFTA=自由貿易協定締結交渉が原則合意に達したと発表しました。このことは、ベトナムとEUとの協力関係に新たな展望を与えると期待されています。
2012年6月26日に、ベトナムとEUとの本格的FTA交渉が始まりました。双方の積極的な精神で、交渉ラウンドは速い進展を遂げました。去る7月13日と14日に開催された第14回交渉の後、ベトナムのブ・フィ・ホアン商工大臣と欧州委員会のマルムストローム通商担当委員は、ベトナムとEUとのFTA協定の大筋合意しました。FTA協定は双方の国民と企業に最高益をもたらすと予測されています。
ベトナム・EU間の市場拡大に向けたチャンス
欧州委員会のマルムストローム通商担当委員によりますと、EUとベトナムはほぼすべての物品貿易で関税を撤廃します。EUが急成長するアジアの国々と今後FTAを結ぶ上でのモデルとなります。また、現在ある関税の99%超をEUは協定発効後7年間、ベトナムは10年間で撤廃します。ベトナムは金融や通信、運輸、郵便のサービスの市場を開放することになります。
ブ・フィ・ホアン商工大臣は次のように語っています。
(テープ)
「ベトナムとEUとのFTA協定が締結される事は、双方の貿易、投資、輸出入分野での協力の強化に有利なチャンスとなります。農業分野では、FTA発効後、ベトナムの青果、水産物、及びコメはEUから輸入税に関する優遇措置が適用されます。逆に、ベトナムに輸出されるEUの小麦、温帯果物、幾つかの畜産品は有利な条件を作り出されることになります。」
FTA、ベトナム・EUの貿易協力に重要な役割を持つ
投資分野では、FTA協定の中に、より良いビジネス環境の整備を公約した事はEUと他の相手国の高質投資のベトナムへの進出に役立ちます。ベトナムとEUによるFTA交渉の過程に、双方は、共に関心を持っている分野における協力と能力向上プログラムの枠組みを合意しました。この枠組みはベトナムにおける法体制の完備、FTA協定の公約、中小企業の競争能力向上に寄与すると期待されています。ホアン商工大臣は次のように強調しています。
(テープ)
「ベトナムとEUのFTA協定の締結は、ベトナムの世界経済への参入、経済再構築などに重要な貢献を寄与します。それを通して、ベトナムは、他のパートナーと同様の協定交渉に向けて、多くの経験を積むことが出来るでしょう。」
ベトナムとEUのFTA協定の意義について、在ベトナムEU代表団団長のフランツ・イエセン大使は次のように明らかにしています。
(テープ)
「この協定は、EUとASEANとの貿易協力における重要な節目だと思います。EUとASEAN加盟国間のFTAは、シンガポールに次ぎ2カ国目です。この協定は、EUと新興国のFTAとして、近代的で新たな優れたモデルになるよ。」
今後は最終的な法的文書をまとめ、欧州議会などの承認を得たうえで正式署名となります。