これまで、ベトナムの全ての憲法は結社の自由を国民の基本的権利の一つとして認定してきました。実際、結社の権利は施行されてきましたが、この問題に対する反対意見が出されています。これらの意見は客観性にかけるもので、ベトナムでの人権問題を故意に歪曲するものと言えます。

ベトナムが結社法の作成を検討している中、「ベトナムは結社の自由権の施行をやる気があるのか」という意見が出されていました。ですから、結社法の作成に関する構想はかなり前から出されましたが、今日もなお作成中なのです。その他、社会に「民事空間」を設置する必要があることや「すべての協会や組織をけん制する必要はない」という意見もあります。

最近、ハノイで、「人民政権の転覆」を起こしたグェン・バン・ダイと仲間の6人を被告とする裁判が行われたことをきっかけに、結社の自由とベトナムにおける言論の自由に対する反対的な意見が浮上しました。

ベトナムにおける「民事空間」が確保されている。

実際、ベトナムで「民事空間」が存在しています。結社法が採択されていない時でも、ベトナムでは数多くの協会や組織、団体が活躍しています。2017年末現在、全国では、6万8000の団体が人道、慈善、教育養成サービスの提供、健康ケア、体育スポーツ、環境などの分野で活動していました。これまでこれらの組織や団体が法律違反行為をした場合を除き、個人や団体の結社を妨げたり、これらの組織や協会の活動を制限したりする人はいません。

ベトナムの全ての憲法は結社の自由を国民の基本的権利の一つとして認定してきました。例えば、1946年憲法の第10条は「ベトナム国民は、言論の自由、出版の自由、集会と結社の自由、居住の権利、国内外への移動の自由を受ける権利がある」と明記しました。

また、1959年憲法の第25条は「ベトナム民主共和国の国民は言論の自由、報道の自由、集会と結社の自由、デモ行進をする権利がある。国家は国民がそれらの権利を享受する為に必要な物心両面の条件を確保する」と規定しました。そして、1980年憲法の第67条は「国民は、言論の自由、報道の自由、集会と結社の自由、社会主義と国民の利益に適応するデモ行進の自由という権利を受ける」と明記しています。

1992年憲法の第69条は「国民は、法律の規定するところに基づいて言論の自由、報道の自由、情報の自由、集会と結社の自由、デモ行進を行う権利がある」と強調しました。さらに、2013年憲法の第25条は「国民は、言論の自由、報道の自由、情報把握の自由、集会と結社の自由、デモ行進の自由を受ける権利がある」と規定しています。

結社を利用し、ベトナムに抵抗する行為は法律違反行為である

ベトナムでは数多くの協会や連盟、組織が活動を行うのはベトナム政府が市民的及び政治的権利に関する国際規約の精神に基き、結社の自由権に関する市民の全ての権利を確保するため全力を尽くしていることの表れです。この国際条約の第22条第1項は「だれもが自らの権利を守るため、結社の自由、その中で、組合を結成したり、加盟したりする権利がある」と明記しました。

一方、同条約の第22条第2項は「国家の安全保障、公共秩序と安全確保、共同体の健康、道徳、又は、他人の自由権の確保の理由で、この権利の履行は法律により限られることもある。」ということを規定しました。

集会と結社の自由などこの国際条約が人間の基本的権利として見なしているものもベトナムの憲法により保障されています。ベトナム刑事法は結社の自由、宗教・信仰の自由を侵害する罪に対する処罰を規定しています。

実際、結社により、国家の利益と他人の自由権を侵害すれば、その結社の権利を勝手に施行することはできないのは当たり前です。現在、幾人かは「政治活動家」や「良心の囚人」と自称して、法律違反行為を行っています。ベトナム裁判所がこれらの人々を裁くことは人権侵害ではなく、法の支配を確保するためのものでしょう。