ベトナム・イタリア戦略的パートナー関係、及びベトナム・バチカン対話関係の強化
すでにお伝えしましたように21日、チャン・ダイ・クアン国家主席率いる代表団はイタリアとバチカン市国の国賓訪問を開始しました。これはベトナムとイタリアの戦略的パートナー関係の強化に特別な意義がある訪問であり、今後のベトナムとバチカン市国との外交関係に基盤を作り出すものとなっています。
イタリアは南ヨーロッパに位置し、世界の先進工業国の中で第9位に立っています。現在、イタリアは中国やインドなどの新興国、また、ベトナムをはじめ、ASEAN諸国との商取引や協力を促進しています。
戦略的パートナー関係の強化へ
ベトナムとイタリアは1973年3月23日に外交関係を樹立しました。90年代から、両国の政治関係は発展しています。イタリアは西欧諸国に先駆けてベトナムとEU=欧州連合との協力の強化、また、ベトナムと国際金融・通貨組織との関係正常化を支持しています。また、イタリアの指導者らはベトナムとの多面的な協力関係を促進する決意を示し、ベトナムを東南アジア地域での優先対象国と見做していると強調しました。2013年初め、グエン・フ・チョン共産党書記長によるイタリア国賓訪問にあたり、両国の戦略的パートナー関係が確立されて以来、絶え間なく強化、発展しています。両国の高級代表団の相互訪問が頻繁に行われる一方、商取引額は年を追って、増加しています。2013年、双方の商取引額は33億ドルに達しましたが、2015年に43億ドルとなっています。
現在、ベトナムで行われているイタリアの投資プロジェクトは77件で、3億6千万ド相当の投資が行なわれ、112の国と地域の中で31位に立っています。イタリアの投資プロジェクトは加工産業、革靴、建設、衛生設備、鉄鋼生産分野に集中しています。特筆すべきことはイタリア政府はベトナムを貿易・投資関係を優先的に発展させる振興10カ国リストに入れたということです。
他方、ベトナムとイタリアの文化教育分野での協力は着実な発展を見せています。毎年イタリア外務省は、イタリア語を専攻する大学院と修士課程のベトナム人に奨学金を支給しています。一方、イタリア政府はUNESCO=国連教育科学文化機関と協力し、ベトナムのミソン遺跡地区の改修に43万ドル以上を支援しました。さらに、双方は文化交流を頻繁に行い、両国民の相互理解の深化を図っています。
ベトナム・バチカン関係発展へ向けて対話を促進
イタリア訪問を機にクアン国家主席はバチカン市国を訪問する予定です。この訪問はベトナムがバチカン市国との関係を重視し、相互尊重、内政不干渉を基礎にバチカン市国との対話を継続したい意向の表れです。また、バチカン市国がベトナムのキリスト教コミュニティに対し、ベトナムとバチカン市国との関係発展、また、ベトナムの発展に尽力することを激励するよう希望するとしています。
これまでのベトナムとバチカン市国の関係を振り返ると対話は双方の関係発展に寄与してきたことが分かります。双方は合意した原則に従って、対話を行なった上で、相互信頼や互恵を基礎とする協力関係の強化が図られ、ベトナムでの新しい教区の設立や枢機卿の任命などが進められてきました。
こうした良好な関係を基礎に、クアン国家主席のバチカン市国の訪問は今後の双方関係の発展に着実な基盤を作り出すでしょう。