(VOVWORLD) - アジアを中心とした各国の政治家や企業家が経済問題を話し合う「ボアオ(博鰲)・アジア・フォーラム」の年次総会が8日、中国海南省で開幕しまし た。会期は11日までで、およそ2000人が参加し、成長や、インベンション、イノベーション、世界の繁栄の促進などについて意見交換をしています。
スイスのダボスで開催される世界の政治家・財界人・知識人が集まる国際会議(いわゆるダボス会議)のアジア版として知られる「ボアオ・アジア・フォーラム」は、2001年2月27日に設立され、当時、アジアの25カ国とオーストラリアの計26カ国が参加しました。
アメリカ・中国間の貿易摩擦が激化しており、そして、中国がオープンな経済政策実施40周年を迎える中、今年のフォーラムはアジアの将来に大きな影響を与えると評されています。
世界経済の機関車
この数十年間、アジアは、世界経済の原動力と牽引車として見なされてきました。イノベーションや、国際社会への参入による発展は、アジア諸国の成功の鍵となっており、これを通じて、アジアの「機関車」としての役割が確立されました。
日本が世界第3の経済大国の地位を維持していることや、中国が第2の経済大国になっていること、中国のGDP=国内総生産の伸び率が7%~8%の程度に維持されていること、ASEAN=東南アジア諸国の平均成長速度が5%に達していることなどはその証と見られています。
しかし、アジアは、安全保障や、環境、競争、貿易など多くの分野で試練に直面しています。特に、第4次産業革命はアジアに多くの変貌をもたらしている一方、多大な困難を引き起こしています。
今年の「ボアオ・アジア・フォーラム」の直前に、米中貿易戦争が勃発しました。こうした中、今年のフォーラムは自らの地位・役割を維持するためにどのような措置をとるかが焦点となっています。
役割の再確認
中国の習近平国家主席は、10日、フォーラムで演説し、「中国の市場環境はこれから大幅に改善し、知的財産は強力に保護される。中国の対外開放は全く新しい局面が開かれる」と述べ、対外開放の拡大に尽力する姿勢を示しました。
また、習氏は、開放拡大の具体策として、市場参入の大幅緩和に言及し、「外資による金融機関の設立制限を緩和するほか、中国国内で認める業務範囲を拡大する」としました。
一方、フォーラムで発表された報告は、「2020年までに、アジアの投資に関する需要は8兆ドルを超える」とし、「こうした中、各国は共に市場開発戦略を実施し、あらゆるチャンスを掴んで、連携を強化する必要がある」と勧めています。
フォーラムは、貿易・投資の自由化や、オープンな経済政策の実施などを呼びかけていますが、これらの措置は各国の国益や、地域と世界の繁栄を目指すものとされています。