ロシア下院選挙をめぐる問題


18日、ロシア下院選挙が行われ、開票の結果、プーチン大統領の与党「統一ロシア」は4分の3を超えるロシア下院史上最多の議席を獲得し、圧勝しました。これは、ロシアが多くの困難に直面している背景の中にあっても与党「統一ロシア」が有権者の信頼を維持したことを示すものと見られています。

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中央選挙管理委員会によりますと、定数450議席の中、統一ロシアは343議席を、そして、このほかの政党では共産党が42議席、ロシア自由民主党が41議席、公正ロシアが21議席を獲得しました。


国民の信頼

今回の選挙は、ロシア経済がウクライナ危機や、シリアでの軍事作戦などに関連する西側諸国の制裁により多くの困難に直面している背景の中で行われました。しかし、これらの困難はプーチン政権に対する国民の支持に影響を及ぼすものではないといえます。西側諸国の制裁はロシア庶民にも影響を与えていますが、彼らは、「これはロシア政府の所為ではない」と考えています。プーチン大統領はロシア民族の団結の象徴と見られています。

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ロシア国民はプーチン氏を誇りに思っています。今年63歳のプーチン氏は、この17年間、ロシア大統領、または、首相のポストを歴任してきましたが、ロシア国民にとって、取りかえることのできない人物として評価されています。特に、プーチン時代後、ロシアは再び1990年代のような混乱状態に陥ると懸念する声もあります。プーチン大統領は今回の勝利について、ウクライナ問題をめぐり欧米諸国が発動した対ロシア制裁措置によりロシア経済の減速が一段と顕著になるなかでも国の指導者に対する信認が示されたとし、「統一ロシアにとり非常に良い結果となった」と述べました。


今後の試練

しかし、ロシア政府の今後の道のりは多くの困難があるのは事実です。経済面に関して、2015年の同国のGDP=国内総生産は3・7%減少しましたが、今年もさらに1・9%低下すると予測されています。その原因は、石油・ガス価格の下落です。こうした中、西側諸国の制裁措置はロシア経済に深刻な被害を与えています。統計によりますと、2014~2017年期において、ロシアの損失額は6000億ドルに上るとしています。

一方、選挙後、アメリカや、ウクライナとの関係も差し迫った問題となる見通しです。今回のロシア下院選挙には、2年前にロシアに編入されたクリミア自治共和国の有権者も参加しましたが、アメリカとウクライナは猛反発し、選挙の合法性を認めていません。今後、ウクライナ危機はどのように解決されるかが焦点となっています。

内政と対外面での問題はプーチン政権に多くの困難をもたらしています。しかし、プーチン氏の指導の下、ロシアはすべての困難を乗り越えることができるという楽観的な見方もあります。そして、現在63歳のプーチン氏は、2018年の大統領選への出馬の意向は明らかにしていませんが、今回の選挙での圧勝により、権力基盤を一段と固めることが出来たといえます。


 

 

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