安保理の拡大閣僚級討論会で発表しているミン氏

既にお伝えしましたように、9日、ニューヨークの国連本部で、安全保障理事会の1月の議長国であるベトナムの提案により、「国連創立75周年記念・国際平和と安全保障の維持を目指す憲章の遵守」をテーマにした安保理の拡大閣僚級討論会が行われました。この討論会で、安保理はベトナムが作成した議長声明を採択しました。安保理の拡大閣僚級討論会で、国連憲章に関する議長声明が採択されるのは今回が初めてです。

討論会で、ベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相は演説を行い、世界の平和維持と安全保障に対する国連憲章の尊重・遵守の重要性を強調しました。この75年間の世界の歴史から見ると、国連憲章を無視して、国連憲章と国際法を遵守しないことは、世界の平和と安全保障を脅かす多くの紛争につながったとしています。

また、ミン氏は、世界が一つの国だけでは解決できない多くのグローバル的な試練に直面している背景の中で、国連憲章はその価値を増やしていると明らかにし、国連憲章の精神と原則に基づいて国連の中核的な役割を強化する必要があると強調しました。そして、多国間主義、及び、国連憲章と国際法に基づく各国間の平等な関係づくりは、世界の平和維持と安全保障、気候変動対策、持続可能な発展などを目指す唯一の方法であると述べました。

ベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相によりますと、それぞれの国は、国連憲章と国際法の遵守に責任があり、中でも、世界の平和維持と安全保障という任務を託された安保理と安保理の理事国は国連憲章の遵守において先頭に立たなければなりません。

ミン氏は、国連憲章の遵守を目指す3つの措置を提案しました。第1は、国連を中心とする多国間主義を強化することです。第2は、地域組織の活動効果向上とその役割の強化を目指すことです。東南アジア地域から見ると、国連憲章をモチーフにしたASEAN憲章に基づいて設立されたASEAN共同体は、地域の平和維持と安全保障において核心的な役割を果たしているということはその代表的な一例です。

第3に、世界各国は、国連憲章と国際法に基づいて、国防・安全保障・外交に関する自国の法律・政策を制定・展開するということです。これは、国連憲章の尊重と遵守を慣習化させる効果があり、世界の着実な平和づくりにつながると見られています。

また、ミン副首相兼外相は、長引いた戦争で大きな被害を受けたベトナムは、国連憲章の価値を理解し、国連憲章の原則を遵守することを公約していると明らかにしました。さらに、ミン氏は、こうしたベトナムは、国連憲章の目的と原則が効果的に実現されるために、国連をはじめとする国際社会の活動にできるだけ貢献していると強調しました。