中東・北アフリカに民衆デモが拡大し政権が相次いで倒れた「アラブの春」のきっかけとなったチュニジアでの青年の焼身自殺から17日で1年を迎えました。
民主化プロセスが進む中、各国の選挙ではイスラム勢力がほぼ独り勝ち”し、さながら「イスラムの春」の様相を呈しています。今後は国のあり方をめぐる議論が焦点となりますが、国内政治の安定や経済の立て直しなど課題も多いです。
1月にベンアリ前大統領が亡命し、その後の「政権崩壊ドミノ」の先駆けとなったチュニジアです。今月14日に、10月の制憲議会選挙で第一党となったイスラム政党アンナハダ幹事長のジバリ氏が新首相に指名され、「アラブの春」以降では初のイスラム勢力主導政権が誕生することになりました。
民主化が進む一方、インフレが国民の生活に重くのしかかり、生活の改善に強い期待がかかります。
王制国家モロッコでは11月、イスラム政党が第一党に躍進し、同じく王制のヨルダンでも今年に入り、イスラム勢力のデモなどで首相が2度にわたり交代しました。
さらに、域内外からの注目が集まるのが、8千万人の人口を抱える地域大国エジプトの動向です。2月のムバラク政権崩壊後、初めてとなる人民議会選挙が11月に始まり、これまでのところ、イスラム原理主義組織ムスリム同胞団傘下の自由公正党が、比例投票枠で36%の票を獲得しました。
最終結果は全選挙区で投票が終わる来年1月に発表しますが、第一党となる公算は極めて大きいです
一方、反政府デモが続くイエメンのサレハ大統領は先月23日、副大統領への権限委譲などサウジアラビアなどが示していた事態収拾案に署名するため、首都リヤドを訪れました。
イエメンからの報道によりますと、サレハ氏はハディ副大統領に権限を委譲し、ハディ大統領の下、2年間の政権移行期間を設けるということです。サレハ氏は形式上、デモ隊や野党勢力が求める辞任に応じた格好になり、約10カ月にわたるデモの混乱が改善に向かう可能性があります。
ハディ氏への全権委譲後、サレハ氏が90日間、政治的権限を持たない「名誉大統領職」にとどまることに、野党勢力も同意しているということです。ただ、デモ隊はサレハ氏の即時辞任を要求しており、反発も懸念されます。
以上の分析によりますと、中東・北アフリカは解決すべきの様々な試練に直面しているといえます。