個人情報保護法が施行:デジタル時代における人権の擁護

(VOVWORLD) -ベトナムの「個人情報保護法」は、2026年1月1日に正式に発効しました。これは単なる新規法的文書にとどまらず、サイバースペースにおける認識や法的規範、そして人権の在り方における転換点であるとみられています。
これはベトナムで初めての個人情報保護に関する独立した法律で、これまでのすべての規定に代わるものです。
データ権の法制化
ベトナムでは、これまで個人情報の保護は主に行政的な政令に基づいて運用されており、技術的な規定やコンプライアンスの遵守が中心となっていました。しかし、2025年6月に国会で正式に可決された「個人情報保護法」により、個人データは法律で明確かつ包括的に保護されるべき権利として位置づけられ、「個別的基本権」となっています。
個人情報保護法の大きな特徴の一つは、あらゆるデータの収集に対しても、本人の明確な同意を義務付けた点にあります。これにより、ユーザーは受動的な立場から脱却し、自らのデータが「誰に、どのような状況で利用されるか」を決定する権利を持つ主体へと変わることになります。
個人情報の流出リスクが高まっている背景のもとで、この規定は市民のプライバシー保護に向けた法的な基盤を強化するものであり、極めて重要な意義を持っています。
ベトナム国家サイバーセキュリティ協会の代表者であるファム・チュン・タイン氏は次のように述べています。
(テープ)
「この法律の施行は、ユーザーのプライバシーを守るための鍵となります。法律では、企業がデータを収集する際、ユーザーの同意を得ることが明確に義務付けられています。さらに、ユーザーは同意を拒否したり、過去に与えた同意を撤回したりする権利があり、データは厳格に保護されます。特に、データの売買行為は禁止されています」
法律によって、知る権利、アクセス権、訂正権、削除権、そして不正なデータ処理に対する異議申立権が明文化されたことは組織や企業にとっての法的責任であるだけでなく、デジタル環境における人権を守るための手段でもあります。これにより、市民が自らの個人情報をより主体的に管理できる機会が生まれることになります。
(テープ)
「自らのデータや画像を削除するようになります。私にはその権利があり、IT企業側も利用者が自らこうした操作を行える機能を備えなければなりません」
 (テープ)
「個人情報保護法が発効して非常にうれしく思います。最近は詐欺や情報の盗用が多く、家族や親戚、そして私自身も被害に遭ったことがあります。ですから、今回の法律には大きな意味があると感じています」
個人情報保護法では、データの売買や不正利用、管理不十分な状態での海外転送といった禁止行為が明確に規定されています。これにより、デジタル時代に深刻化している個人情報の流出リスクを低減し、プライバシー侵害を防ぐための法的な防壁が築かれることになります。
ホーチミン市弁護士会のグエン・バン・ハウ弁護士は、次のように明らかにしました。
(テープ)
 「個人情報保護法には、非常に適切な制裁措置が盛り込まれています。第一に、他者の権利や正当な利益を侵害する形での個人情報の使用を禁じる規定が設けられています。第二に、この法律は憲法の規定に沿ったものであり、私生活の秘密や個人のプライバシーは不可侵であるという憲法の理念を具体化したものです。こうした秘密は法律によって保護されるべきものであり、今回の法律によってそのことが明確に定義されています」
国際統合のプロセスにおける必須の傾向
国際的な視点で見れば、個人情報保護法は、ベトナムをプライバシー保護および個人データ保護に関する世界的な傾向に合致させるものです。これは、世界最高水準のプライバシー規則とされる欧州連合の「一般データ保護規則(GDPR)」などの国際標準に準拠する動きと言えます。
国内法を国際基準に適合させることは、ベトナム国民の権利を保護するだけでなく、海外の投資家やパートナーからの信頼醸成にもつながります。同時に、この法律はデジタル経済への統合を後押しし、ベトナムにおけるIT産業の健全な発展を促進する役割を担っています。
人権の観点からは、個人情報保護法は「データの自己決定権」をデジタル時代における不可欠な人権の一部と見なしており、大きな前進であると評価されます。この法律は、個人データに関する法意識を向上させるだけでなく、デジタル時代における個人の自由を尊重し、より公正で安全なデジタル社会をベトナムに築くための基盤となるものです。

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