国連、テクノロジー利用におけるジェンダー平等の促進をアピール
(VOVWORLD) - 3月8日は「国際女性デー」です。今年の国際女性デーのテーマは、「ジェンダー平等のためのイノベーションとテクノロジー(DigitALL: Innovation and technology for gender equality)」です。
この機に、アントニオ・グテーレス国連事務総長はメッセージを発信し、その中で、「デジタル技術は教育を拡大させるとともに、女性と少女に多くのチャンスをもたらす」とし、「ジェンダー平等を促進するため、イノベーションを強化し、テクノロジーを活用するよう」呼びかけています。
国連は今年の国際女性デーにおいて、革新的なテクノロジーとデジタル教育の推進を助ける女性と少女を称えます。また、経済的・社会的不平等の拡大に伴うデジタル・ジェンダー・ギャップへの影響について探求します。そして、デジタル空間における女性と少女の権利を保護し、オンラインおよび情報通信技術によるジェンダーに基づく暴力に対処することの重要性にスポットライトを当てます。
テクノロジーによって女性や社会から疎外された人々に対するより創造的な解決策が生まれ、女性のニーズに応え、ジェンダー平等を促進するイノベーションの可能性が高まります。
国連女性機関の「Gender Snapshot 2022レポート」によりますと、女性がデジタル世界から排除されたことにより、過去10年間で中低所得国の国内総生産が1兆ドル減少し、このままでは損失が2025年までに1兆5千億ドルにまで膨らむと予測されています。これは、オンラインによる暴力の問題に取り組む必要性も示唆しています。
51か国を対象とした調査では、女性の38%が暴力を受けた経験があることが明らかになりました。また、イノベーション、テクノロジー、デジタル教育へのジェンダーに対応したアプローチは、女性と少女の権利と市民活動に関する意識を向上させることができます。
デジタル技術の進歩は、開発および人道的課題に取り組み、そして2030年までに持続可能な開発目標を達成するための計り知れない機会を提供するとしています。
現在、女性は科学・技術・数学分野における労働力の3分の1を占めています。しかし、デジタル革命がもたらすチャンスは、現存するジェンダー不平等のパターンを永続させるリスクもあります。デジタル技術とテクノロジーへのアクセスにおいて、格差拡大がますます明らかになっており、デジタル面でのジェンダー分断の結果として、女性が取り残された状態となっています。
こうした中、包括的で変革的なテクノロジーとデジタル教育の必要性は持続可能な未来にとって極めて重要となっています。そして、全世界が国連のアプローチに応え、「ジェンダー平等のためのイノベーションとテクノロジー」という今年の国際女性デーのテーマを現実化させることが期待されています。