(VOVWORLD) -計画投資省外国投資局の筋によりますと、2023年初頭から4月20日まで、77カ国・地域のベトナムへの直接投資額は約89億ドルに達しています。この数字は、高くはありませんが、前向きな兆しであると評価され、ベトナムが外国投資家にとって魅力的な投資先であることを示しています。
去る4月22日、ハノイで開催されたファム・ミン・チン首相と外国投資家との会合で、3社の外国企業はベトナムでの新しい投資計画を通知しました。これらは、韓国の投資家による16億ドル相当の重工業とロジスティクスプロジェクト、ドイツの投資家による15億ドル相当の再生可能エネルギーを使用するグリーン生産プロジェクト、および日本の投資家による6億ドル相当の医療設備生産プロジェクトです。
多くの外国投資家にとってのベトナムの魅力
会合で、外国企業協会は世界での投資の今後の動向を予測するとともに、ベトナムの投資環境を評価しました。
KOCHAM=在ベトナム韓国商工会議所の統計によりますと、現在、ベトナムに進出した韓国企業の数はおよそ9000社となり、昨年の貿易総額はおよそ877億ドルに達しています。今後も、多くの大手企業がベトナムに投資する予定です。当面、LGエレクトロニクス、LGディスプレイ、LGイノテックなどはベトナムを電気自動車用電池や、電子製品、家具を生産するグローバルな拠点へと発展させるため、投資を拡大する方針です。
一方、ジェトロ=日本貿易振興機構ハノイ事務所の中島丈雄所長は、「日本企業はベトナムに投資する用意があります。日本企業の47%はベトナムへの投資チャンスをうかがっているとされ、今後1 ~ 2 年でベトナムでの事業を拡大する予定です」と発言しました。
他方、ユーロチャム=在ベトナム欧州商工会議所の評定によりますと、ベトナムはいくつかの障壁に直面しているにもかかわらず、投資分野において『ライジングスター』と見られています。在ベトナム欧州企業共同体は持続可能開発とグリーン経済を目指し、強靭な国づくりでベトナム政府とともに歩み、協力を強化していく用意があるということです。
ユーロチャムのグエン・ハイ・ミン副会長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「ユーロチャムが最近実施した経営環境指数に関する調査結果によりますと、ベトナムは、周辺地域の他国との競争の結果、欧州の企業による投資先として常にトップに選ばれています。その理由は、ベトナムには地理的な位置条件、自由貿易協定の広範なネットワーク、ベトナムのサプライチェーンへの参加、特に持続可能な開発とグリーン成長戦略など様々な利点があるからです」
去る3月に、アメリカの大手製薬会社ファイザー、航空宇宙機器開発製造会社ボーイング、宇宙船の開発製造会社ロッキード・マーティン、多国籍テクノロジー企業アップルなどの大手企業52社からなる代表団は投資と経営協力のチャンスを模索するためベトナムを訪問しました。アメリカの実業家によりますと、ベトナムには、半導体や、日用品・消費財、玩具、室内装飾品、食糧・食品、デジタル経済、クリエイティブエコノミー、銀行金融サービス、ヘルスケアなどの分野に関する多くの投資のチャンスがあるということです。
多国籍のテクノロジー・コングロマリットMETAのアジア太平洋地域担当のラファエル・フランケル最高経営責任者は、アメリカの実業家がベトナムへの投資に関心を持つ理由について、次のように明らかにしました。
(テープ)
「第1に、ベトナム人の実業家は有能で勤勉、献身的な精神でどの国にも劣らないこと。第2に、ベトナムへの投資は展望が明るいこと。第3に、ベトナム政府はオープンな経済政策を講じているからです」
ベトナム経済の明るい展望
ベトナムの経済は、新型コロナウイルス感染症の深刻な影響、および世界経済の衰退リスクに対応できる回復力があったため、外国人投資家から高く評価されています。様々な困難や試練を乗り越え、ベトナムはマクロ経済の安定化、インフレの抑制を維持しており、新しいデジタルトランスフォーメーション時代に迅速に適応しています。
IMF国際通貨基金や、WB世界銀行、ADBアジア開発銀行、OECD経済協力開発機構、スタンダードチャータード銀行などによりますと、ベトナム経済の成長率は 5.8 ~ 6.6% の程度で変動すると予測されています。
ADBベトナム事務所の経済専門家グエン・ミン・クオン氏は次のように語りました。
(テープ)
「ADBの予測では、ベトナムの経済成長率は今から2030年までに平均6.5%に達する可能性があります。ベトナムはこの成長率を達成することができる多くの利点があります。まず、ベトナム経済は約1億人の人口を擁するダイナミックなものです。ベトナムにおける中流層はアジアで最も急速に増加していると言えるでしょう。次に、自由貿易協定の実施により、外国市場に進出できる利点があること。そして、ベトナムは世界第2位の経済大国である中国の隣国であることです」
経済成長の前向きな兆しや、外国の専門家からの評価に基づき、外国投資家はベトナムへの投資を早期に決めてくるでしょう。