(VOVWORLD) -1997年から2006年まで、ベトナムの首相を務めたカイ氏は、戦略的ビジョンを持ち、ベトナム経済の発展事業に重要な貢献をした人であると評価されています。
カイ元首相 |
在任中、カイ首相は強い改革の精神で、マクロ経済の成長推進と安定化に寄与しました。カイ氏は、経済だけでなく、社会、政治、外交などの分野にも多大な貢献を残しました。
マクロ経済の成長と安定を推進した人
カイ氏が首相を務めた1997年頃に、東南アジア諸国の経済は通貨危機に陥り、韓国とアジアの幾つかの国々は深刻な影響を受けました。そうした背景の中で、カイ首相がリーダーを務めた政府はその危機を食い止めるために、様々な解決策を講じました。その結果、ベトナム経済の伸び率は4.8%でしたが、当時の背景では、低い水準ではありませんでした。
また、カイ元首相は、就任してから、企業・実業家・経営環境を優先課題の一つと見なしました。在任中に、カイ氏は、企業の困難解決を目指す為に、各企業との対話を頻繁に行いました。
カイ氏は市場を志向した経済発展を目指す法制定が国の発展の為の最重要な基礎であることを主張しました。1999年に企業法が発効され、2005年に改正されたことや、証券市場が2000年に開設されたことは、カイ元首相の一貫した見解とビジョンを示す証となっています。
カイ首相の在任中に、1999年企業法の発効や、各企業の事業活動を妨げる268件の面倒な手続きの削減は、民間経済セクターに有利な条件を作り出し、国民の創造力と活発性を奨励しました。
今なお、その企業法は、経済の長期的な発展に向けた重要な土台としての存在となっています。2000年から2001年までの2年間だけみても、新たに設立された企業数は3万5千社にのぼり、その前の9年間の新規設立企業の総数に相当しています。
国際参入の推進
経済発展に大きな貢献をしたかたわら、カイ元首相は、国際参入の推進に功労がありました。カイ氏は、ベトナムの他の指導者らと共に、ベトナムの国際参入と経済発展戦略を作成しました。
カイ首相の在任中に、ベトナムとアメリカは、通商協定を締結し、二国間の全面的な関係正常化の歴史的な進展を遂げました。2006年にカイ氏がベトナムの最初の首相としてアメリカを公式訪問したことは、両国間の多面的な協力関係に新たな段階を切り開きました。
さらに、カイ首相の指導の下で、2006年末には、ベトナムの各省庁や部門はベトナムのWTO=世界貿易機関への加盟に関する交渉を終了させました。ベトナムがWTOに加盟したことは、ベトナムの世界経済への参入過程を本格化させました。
カイ元首相は、社会主義を志向する市場経済の構築と発展をスタートさせた指導者となっています。