戦略的パートナー関係から得た利益と国家の地位向上

ベトナムは、ロシアとの関係を戦略的パートナー関係に格上げした2001年からこれまで、14カ国と戦略的パートナー関係を結んでおり、その中で、2カ国との戦略的かつ全面的パートナー関係を構築しました。これらのパートナー関係は経済面で切実な利益をもたらすだけでなく、国際社会におけるベトナムの地位向上にも寄与しています。

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普段、ある国と他国との関係は、二国間パートナーから地域パートナー、全面的パートナー、戦略的パートナー、そして戦略的かつ全面的パートナー関係に引き上げられます。戦略的パートナー、あるいは戦略的かつ全面的パートナー関係とは双方が長期的な利益を追求し、互いに支援し合い、全面的な協力関係を促進した上で、相互信頼を醸成するということです。これまで、ベトナムは、ロシアや、中国と戦略的かつ全面的パートナー関係を、日本、インド、韓国、スペイン、イギリス、ドイツ、イタリア、インドネシア、タイ、シンガポール、及びフランスと戦略的パートナー関係を構築してきました。つまり、ベトナムは、人口35億人を抱え、GDP=国内総生産がベトナムの200倍となる合わせておよそ34兆ドルに達する13カ国との戦略的パートナー関係を結んでいます。一方で、これらの戦略的パートナーはベトナムの対外活動に前向きな貢献をしてきました。

経済発展への貢献

戦略的パートナー関係は発展に向けての協力の強化に多くのチャンスをもたらします。戦略的パートナーからの投資はベトナムの成長と持続的な発展の促進に重要な財源となっています。重点的な国家プロジェクトのほとんどは戦略的パートナーとの協力によるものです。例えば、ロシアとの協力による第1原子力発電所、日本との第2原子力発電所の建設プロジェクトや、ベトナム・韓国科学技術研究所、ロシアとの石油ガス開発協力プロジェクト、中国の請負による大規模なインフラ整備プロジェクトなどがあります。ベトナムと14の戦略的パートナーとの商取引額はベトナムの輸出入額全体の7~8割を占めており、安定的な増加を見せています。特筆すべきはベトナムとこれらの国々との商取引額が戦略的パートナー関係構築の前と比べ1.3から6倍増となっているということです。また、戦略的パートナー関係の枠組は、二国間と多国間の自由貿易協定の交渉へのベトナムの参加に条件を作り出してきました。

領土保全と国家主権の確保、地位向上への貢献

領有権と国境問題は常に近隣諸国の関係における客観的な存在であり、なかなか解決しにくい難題となっています。ベトナムは戦略的パートナーの枠内で、関係各 国や地域の平和、安定に関心を持つパートナーと力を合わせ、国際法に従って、長期的解決策の模索に取り組んでいます。ベトナムは平和的措置で紛争を解決す るという立場は戦略的パートナーの国々をはじめ、各国の賛成を得ています。これにより、国の主権の確保と平和環境の維持に際し、国際社会の支持を獲得しています。さらに、ベトナムは戦略的相手国との関係で、地位を向上させ、平等性を確保しています。

国際社会の共通問題の解決に対するベトナムの貢献が高く評価されています。さらに、戦略的相手国の指導者が常に、ベトナムを就任後の最初の訪問先と選ぶことも意味深いといえます。ベトナムはアジア太平洋地域や、国連、国際組織などで重要な役割を果たしています。先頃、ロシアを訪問したベトナムのグエン・フー・チョン共産党書記長を歓迎するプーチン大統領の盛大な式典はこれを立証するものと見られます。両国の戦略的かつ全面的パートナー関係は通常の外交儀礼を超え、相互信頼、厚情を表しています。現在、ベトナムは多くの国の友人であり、信頼にたるパートナーとなっています。

 

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