戦略的技術の開発 ベトナムの課題解決のカギに

(VOVWORLD) - ベトナムは、2045年までに先進国入りを目指し、戦略的技術の開発を加速させています。
世界で技術競争が激しさを増す中、こうした取り組みは単なる動きにとどまらず、労働生産性の向上や外部への依存の低減、経済の安定性の向上、さらには持続可能な成長モデルへの転換といった国内の課題解決にもつながると期待されています。

これまでベトナム経済は、低コストの労働力、外国投資、加工輸出の3つを柱に成長してきました。しかし、感染症の流行や地政学的な緊張などによってサプライチェーンが混乱し、その脆弱さが明らかになりました。

こうした中、戦略的技術の開発は、先行きが不透明な国際情勢の中で自立性を高めるとともに、国内経済が抱える課題を解決するうえで欠かせない取り組みとなっています。

追いつき、並び、そして先行へ

ベトナムでは、デジタルインフラの整備や技術の社会への普及、高度技術分野への参入、イノベーション・エコシステムの形成、人材の増加、制度整備の進展など、一定の成果が出ています。

一方で、技術の応用から自立的な開発へ、加工から付加価値の創出へと転換し、さらに一部の分野で主導的な役割を担うためには、さらなる成長が求められています。グエン・チン・ズン副首相は次のような見解を述べました。

(テープ)
「飛躍を実現するには、知識や技術、人材、そして先進的な制度が不可欠です。さらに、グローバルなバリューチェーンのすべての段階に関与できる能力を示し、国際基準を取り入れながら、より深く参入していく必要があります。ベトナムは、より迅速かつ大胆な取り組みを進め、独自の道を切り開くことで、世界との格差を縮め、追いつき、並び、そして先行していかなければなりません」

戦略的技術の開発 ベトナムの課題解決のカギに - ảnh 1発言したチン首相  写真:Duong Giang

党政治局の決議や科学技術法、知的所有権法などの重要な法律は、戦略的技術の開発を後押しする法的枠組みとなっています。また、ファム・ミン・チン首相をトップとする政府の指導委員会も設置され、科学技術やイノベーション、デジタル化の推進が図られています。

28日にハノイで開かれた会議で、チン首相は戦略的技術の開発は国としての重要な課題だと強調しました。

(テープ)
「政府レベルで統一的な指導体制を整え、戦略的技術の開発プログラムを推進します。対象となる技術や製品のリストを見直し、速やかに取りまとめます。また、副首相をトップとする作業部会の設置も検討します。戦略的技術の開発は、現実の課題や国の発展の要請に基づいて進めていく必要があります」

実効性を重視したアプローチ

デジタル技術は、AI=人工知能やビッグデータ、クラウドコンピューティングを含め、行政や企業活動の効率化を支える基盤となっています。また、再生可能エネルギーや蓄電技術などのエネルギー分野は、エネルギー安全保障の面でも重要な役割を担っています。

さらに、自動化やロボット、半導体分野への参入は産業の高度化につながるほか、バイオ技術も農業や医療分野で大きな可能性を持っています。

こうした中、ベトナムは企業を中心に据え、具体的な経済課題と結びつけながら技術開発を進める方針です。また、国際協力を活用して技術格差の縮小を図るとともに、人材育成を重要な課題と位置づけています。

トー・ラム党書記長は、3月17日、軍事技術アカデミーを訪問した際、次のように述べました。

(テープ)
「教育内容やカリキュラムを抜本的に見直し、実践的で現代的なものへと転換するとともに、科学技術の発展と密接に結びつけていきます。特に、先端技術や基盤技術、戦略的技術の分野で高度人材の育成を強化し、将来的には一部の先進技術の自立的な確保を目指します」

戦略的技術の開発は、ベトナムにとって避けられない課題であり、加工中心の経済から、より創造的で自立性の高い経済への転換を進めるためのカギとされています。

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