過激組織「イスラム国」により後藤健二さんらが殺害されたとみられる事件は全世界の憤怒を起こしました。そして、これは、日本政府が国民の安全保護や、反テロ戦において、新しい試練に直面していることを示しています。
日本陸上自衛隊(写真:caobang336)
第2次世界大戦後、日本はもっとも安全な国の1つと見られてきましたが、近年、安全保障面で多くの問題を抱えています。特に、日本自衛隊の国際的活動への参加が許可されて以来、それらの問題が深刻化しています。これは日本国民に深い懸念をもたらしています。
反テロ戦を継続する決意
日本人が海外で過激派組織に殺害されたのは今回が初めてではありません。2004年10月にも「イラクの聖戦アルカイダ組織」を名乗るグループによる日本人青年殺害事件が発生しました。こうした中、日本政府は反テロ戦を促進していく方針を打ち出しています。
安倍晋三首相は4日の日本衆院予算委員会の集中審議で、「イスラム国」による日本人人質事件に関して、「日本人の命の責任は国の最高責任者である私にあり、責任を引き受けるのは当然だ」と述べました。
一方、衆議院は5日の本会議で、イスラム過激派組織「イスラム国」による日本人殺害事件について、「非道、卑劣極まりないテロ行為を強く非難する」などとした決議を全会一致で採択しました。これらの動きは、テロリズムに屈しないという日本の態度を鮮明にするものと見られています。
新しい局面
衆議院の決議では、「このようなテロ 行為はいかなる理由や目的でも正当化されず、テロリズムを断固として非難するとともに、決してテロを許さない姿勢を今後も堅持することを表明する」としています。
また、政府に対し、中東・アフリカ諸国への人道支援を拡充して、テロの脅威に直面する国際社会との連携を強めるとともに、海外に滞在する 日本人の安全確保に万全の対策を講じるよう求めています。
これに関し、岸田外務大臣は「わが国がテロに屈することは決 してない。採択された決議の趣旨を踏まえ、政府は今後とも、国内外で日本人の安全確保に万全の対策を講じていく」と述べました。この決議は、反テロ戦に対する日本政界の協調や、平和主義を尊重する日本のかつてない強固な姿勢を示すものと評されています。
世界各国がテロの脅威リスクを減少させていくために協力している背景の中に、大国である日本の姿勢と行動は各国の注目を集めています。そして、今後、日本はどのような措置を取るかが焦点となっています。