海域での平和・安定維持を堅持するASEAN

(VOVWORLD) -フィリピンの首都マニラで、ASEAN=東南アジア諸国連合の第50回外相会議と関連会議が開催されています。

海域での平和・安定維持を堅持するASEAN - ảnh 1

第50回ASEAN外相会議の様子

これらの会議は、域内連携の強化、ASEANと相手国との関係の推進、2025年までのASEANビジョンの構築などを討議した他、ASEANと中国は、COC=海上行動規範枠組草案を採択すると同時に、ASEANはベトナム東部海域(いわゆる南シナ海)状況に関する共同コミュニケを発表しました。

ベトナム東部海域はASEAN地域内諸国にとって重要で戦略的な海域だけでなく、地域と世界にとっても重要な海路の存在です。関連各国が重なりあっている海域に対する主権を主張したことから、この海域では常に紛争が発生しています。ですから、ベトナム東部海域は、ASEANの関心事であり、ASEANの議事日程に盛り込まれています。

衝突を抑えるため法的措置が必要

かなり前から、ASEANは中国と共に、この海域での衝突の発生を恐れ、それを抑制するために、より拘束力のある措置を望んでいました。COC=海上行動規範の構想は2005年に出されましたが、ASEANと中国は、15年後に、今回の会議で初めて COCを本格的に採択しました。

COCの内容では、国際法、国連憲章、UNCLOS1982年国連海洋法条約、TAC東南アジア友好協力条約、DOC=海上共同宣言の尊重という原則が示されています。これに基づき、関連各国は平和、安定、安全保障、航行安全・自由の為に、信頼醸成に向けた協力を推進し、紛争のエスカレートを抑制するとともに、国際法と国連海洋法条約に従ってあらゆる紛争を平和的に解決する義務があるということです。ASEANの見解では、COCは、DOCの前向きなポイントを継承しながら、新たな状況の要求にこたえるために、拘束力をさらなる高められる必要があるとしています。

5日に採択されたCOC枠組は、発効するために、それぞれの当事国の署名を待っていますが、域内における平和・安全保障の確保、及び、この海域で紛争を避けるとともにベトナム東部海域を「平和・友好・協力」海域に構築するための大きな一歩であると見なされています。

一方、6日に採択された共同コミュニケの中に、ASEANは、自らの立場を示すと同時に、海上行動規範枠組草案が採択されたことを歓迎しました。また、ASEANは信頼性を損ね、緊張を高め、地域内の平和・安定・安全保障を破壊しようとする諸活動に懸念を表明しています。さらに、ASEANは信頼醸成、状況の複雑化につながる行動の抑制と回避、国際法と1982年国連海洋法条約を基礎にして、平和措置を追及する必要性を再び強調しました。

コンセンサスの精神を高めるASEAN

ASEANが様々な試練に直面している背景の中に、ベトナム東部海域をめぐる相応しい解決策をとることは、地域の長期的平和と安定に向けたASEANの適切な貢献を示す一方、地域と国際問題におけるASEANの中核的な役割を示すことです。コンセンサスは、ASEANがそれらの試練を乗り越えるためのカギとなっています。第50回ASEAN外相会議の開幕演説に立ったフィリピンの外相は「ASEAN諸国は共に行動している」と強調しました。ASEAN成立50周年を記念する現時点に、ASEAN加盟諸国は、コンセンサスの精神と責任感を高め、ベトナム東部海域問題を含む共通の試練の解決に取り組んでいます。

 

 

 

ご感想

箒川 兵庫助

HP画面を新調されたのですね。しばらくぶりにお邪魔しています。
フィリピンでの外相会議の主題は,南シナ海の,各国の安全確保でしょう。漁業問題や領土問題の解決はかなり大変だと推察申し上げます。ただアメリカが介入すると,問題がこじれますので,解決が困難になりますので,いかにアメリカの干渉を抑えるかが腕の見せ所でしょう。2020年の成果に期待しています。
主題のもう一つは,フィリピンのミンダナオ島,マラウィ市の紛争解決でしょう。ISIS共鳴者のマウテ一派やアブサヤフがカリフ領を造るとなると,貴国も危険な状態に曝されますので,ASEAN各国で共同して対応することが肝要でしょう。
南東アジアの平和と繁栄を願って投稿させて頂きました。

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