(VOVWORLD) - 2020年、ベトナムはASEAN議長国を務めています。ASEANのパートナー国との関係の強化やASEANの中核的な役割の発揮、ASEAN内の経済連結と結合の推進という目標を実現する傍ら、ASEAN共同体の3本柱の一つである経済協力の強化を優先課題に位置付けています。
ベトナムの世界経済への参入過程においてASEANは重要な貿易相手となっています。1996年、ベトナムがASEANのAFTA=自由貿易協定に加盟した時点でベトナムとASEAN諸国との商取引額はおよそ60億ドルにとどまりましたが、現在、この数字は10倍となる600億ドルを超えています。
国際参入
これまで、ベトナムは16件のFTA=自由貿易協定を締結しましたが、その中に、新世代の自由貿易協定が多くあります。特に、ベトナムは先進国や新興市場国など 20 の国と地域の中で15か国・地域とFTAを締結しました。これにより、国際社会におけるベトナムの地位は日増しに高まっています。商工省のチャン・トゥアン・アイン大臣は次のように語りました。
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「ASEANとの協力は最初の一歩といえます。ASEANを通じて我が国と地域諸国、および他の国々との経済協力を推進する余地が大きいと思います。すべての分野、とりわけ経済分野でのベトナムとASEANとの協力はベトナムの政治、外交、経済面での地位の確立に寄与してきました。」
ASEANの経済参入は世界貿易協力の強化にチャンスをもたらすだけでなく、ベトナムの経済再構築、成長モデルの刷新、社会主義を志向する市場経済体制に基づく法治国家の建設にも貢献しているとみられます。チャン・トゥアン・アイン商工大臣は次のように明らかにしました。
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「ASEAN経済共同体は2015年12月に構築され、ベトナムをはじめ、ASEAN諸国の指導者らの共通のビジョンを示しました。ASEAN経済共同体とASEANビジョンは東南アジア、東アジア、アジア太平洋の中心としてのASEANの役割を確保し、ベトナムを含むASEAN加盟諸国の繁栄と発展に寄与するものとなっています。」
ASEAN内の結合と適応を強化
2020年はベトナム共産党第12期が終わり、経済社会発展10か年戦略の作成が始まる年です。こうした背景の中で、ベトナムは対外関係や経済社会発展5か年、10か年計画に関し、具体的な優先課題を定めました。また、第4次産業革命が進められ、保護貿易主義や一国主義が強化され、ASEANの自由貿易協定をはじめ、多国間貿易システムに大きな試練をもたらしている現在、ASEANの適応力、スタートアップ、インベンション、電子商取引での結合の強化、貿易障壁の撤廃がASEAN2020の優先課題に位置付けられています。さきほどのチャン・トゥアン・アイン商工大臣は次のように強調しました。
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「我々はASEAN議長国としてけん引役を発揮し、加盟諸国とASEAN内の連結・結合を強化していかなければなりません。新たな動きに対するASEANの対応力を高め、ASEANとパートナー国の協力枠組みに新風を吹き込む必要があります。」
ベトナムはASEAN議長国として投資、貿易、科学技術などあらゆる分野でおよそ17件の構想を展開する計画があります。また、ASEANがパートナー国と結んだFTA=自由貿易協定に加えて、年内に締結される予定のRCEP=東アジア地域の包括的経済連携協定はASEANの経済協力に弾みをつけるでしょう。