８日、ハノイで開催中の第14期国会第９回会議はEVFTA=ベトナムとEU＝欧州連合との自由貿易協定やEVIPA＝ベトナムとEUとの投資保護協定を批准する決議を正式に採択しました。これはベトナムとEUとの関係に重要な節目を記し、ベトナムの経済発展と国際社会への参入にチャンスを切り拓くものと言えます。

この２件の協定が発効された場合、ベトナム経済はさらに改善される見通しです。

新型コロナウイルスによる経済衰退を補填

新型コロナウイルス感染症の拡大はベトナムだけでなく、世界各国におけるベトナムの貿易相手の生産経営活動に悪影響を与えています。その背景の中で、EVFTAは企業に多くのチャンスをもたらし、新型コロナが収束した後の生産経営活動の復興に弾みを付けるものとなります。

実際、近年、EU市場でのベトナムの市場シェアがまだ少ないのは事実です。注目すべきことはEU市場へのベトナムの輸出総額の４２％しか、GSP一般特恵関税制度により、税率０％が適用されていません。そのため、EVFTAの発効により、双方の関税のおよそ100％が段階的に撤廃されることから、ベトナムの輸出活動が強化される見通しです。特に、

ベトナムが新型コロナウイルス感染症を基本的に制圧していることから、そのチャンスはより大きくなるということです。商工省所属輸出入局のチャン・タイン・ハイ副局長は次のように語りました。

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「EU市場は大きな市場であり、ベトナムの輸出活動に大きな価値をもたらしています。これは繊維製品、革靴、農水産物、木工製品など、ベトナムの伝統的輸出品目の主な市場でもあります。近年、ベトナムはこの市場の拡大に多くの成果を収めました。EVFTAが発効することにより、ベトナム企業のEU市場への進出がよりスムーズになることでしょう。」

輸入活動に関して、ベトナム企業は多くの利益を得ることになります。ホーチミン市選出のチャン・ホアン・ガン国会議員は次のように語りました。

（テープ）

「ベトナムはEU市場に輸出するだけでなく、この市場から物品を輸入しています。これにより、ベトナムの消費者は税率0％でEU市場からの製品を購入できるようになります。現在、ベトナムとEUとの輸出入総額の572億ドルのうち、輸入総額は150億ドルです。ベトナムはEUから主に機械設備、医薬品、化粧品を輸入しています。」

投資環境の改善を目指す体制完備の継続

ベトナムとEUとのEVIPA＝投資保護協定は両者の関係が独立・主権の尊重、領土保全の精神を基礎に、ベトナムとEUとの全面的な協力的パートナー協定で合意された目標に合致するいくつかの原則を規定しました。

EVFTAとEVIPAの実施はベトナムが投資経営環境の改善を目指し、政策や体制を引き続き完備させる原動力になります。国会対外委員会のグエン・バン・ザウ委員長は次のように語りました。

（テープ）

「EVIPAの批准は外国直接投資の誘致、経済社会発展を強化し、欧州諸国からの近代的、かつ、クリーン技術の導入に多くのチャンスをもたらします。EVFTAと共に、EVIPAはEU市場からの投資誘致に役立ちます。また、この協定はベトナム政府とベトナム投資家の権利が侵害された場合、その紛争を裁判所に提訴するための法的基礎を作り出します」

総人口 5億800万人を擁するEU市場はベトナムの潜在力がある市場です。EVFTA=ベトナムとEU＝欧州連合とのFTA＝自由貿易協定やベトナムとEUとのEVIPA＝投資保護協定を批准する決議を正式に採択したことはベトナムの経済発展に多くのチャンスをもたらすことでしょう。