経済専門家によりますと、ベトナム農業は、全面的再構築への投資を誘致するに際し、様々なチャンスを持っています。この数年、多くの国内企業が農業に投資をシフトしつつある一方、政府は企業に対し、農業発展にさらに参加できるように有利な条件を作り出してきました。
政府は常に、農業・農村に投資を行う各経済セクターに対する支援政策の完備に関心を寄せています。2014年と2015年、政府は経営環境の改善の促進を目指し、2件の決議を公布しました。一方、2013年、政府が採択した農業再構築計画が促進され、農業部門の構造と生産方式の更新が狙いです。これは農業・農村の発展を加速するという政府の決意を示しました。
農業への企業の投資で前向きな動き
ベトナムはASEAN=東南アジア諸国連合のほかの加盟国と同様、農業に投資を行う企業が多くありません。農業農村開発省の統計によりますと、企業の投資は農業部門の潜在力や発展の要求に応えられていないとしています。これまで、政府の支援と奨励を受け、農業・農村に投資を行う民間企業の数は2007年の2400社から2013年に3630社にのぼり、労働者およそ26万5千人に雇用が創出されました。
ちなみに、生乳会社ビナミルク社、THトルーミルク社、ホアンアインザライ経済グループなどはハイテクの応用、市場開拓に成功し、多くの地方に発展の原動力をつけました。現在、ビングループや軍隊通信会社ベトテル社、FLC社などは農業への投資チャンスを模索しています。
農業農村開発省のカオ・ドゥク・ファト大臣は次のように語りました。
(テープ) Phat
「農業再構築と新農村づくりプログラムは農業・農村分野の2つの革命といえます。これらのプログラムを実現するためには中央から地方までの各経済セクターの積極的な参加が必要です。また、国家は構成的な役割、企業は中核的な役割を担い、農民は主体となっています。」
農業への投資を行う企業向けの条件づくり
6月28日、ハノイで開催された「農業フォーラム2015」で、ホアン・チュン・ハイ副首相は、「ドイモイ=刷新以来、30年 を経て、ベトナム農業部門は経済社会発展に大きな貢献をしてきた。農業の強みを活用するため、政府は灌漑システムや農村部の幹線道路などの完備に投資を集 中的に行なうと同時に、農業に投資を行なう企業の支援を強化する方針である」と明らかにしました。
ハイ副首相は次のように語っています。
(テープ) Hai
「農業への投資を行うに際し、企業は生産での創造性を最大限に発揮することができます。我々は企業の能力を生かすため、適切なメカニズムを作成する必要があります。専門分野別の各協会や企業間の連携を促進しなければなりません。」
現在、農業農村開発省は付加価値の向上と持続的な発展に向け農業再構築計画を精力的に実施しています。これまで、栽培、畜産、林業、水産、加工、水利分野に関し、12の再構築計画が作成されました。また、数百社の大手グループや企業は農民と連携して、40万ヘクタールで農業生産を行なっています。
今後、ベトナム農業は迅速かつ着実な発展を遂げるため、主体となる農民のほか、企業の積極的な参加が欠かせません。企業の投資により、生産へのハイテクの応用や競争力の向上、資金不足など農業分野に関する難題が解決されるでしょう。