(VOVWORLD) - ベトナムで今週、「第11回全国愛国競争大会」が開かれます。12月26日と27日の2日間、首都ハノイで開催されるこの大会は、国を挙げての一大イベントです。
「愛国競争運動」は、国民一人ひとりが仕事や生活の場で競い合いながら、国の発展に貢献しようという運動です。ベトナムでは、革命の歴史と深く結びついた伝統的な取り組みとして、今も脈々と受け継がれています。
抗戦の時代には「生産競争」や「戦闘競争」として、戦後の平和な時代には「創造的労働競争」として展開されてきました。時代とともに形を変えながら、常に社会を前進させる原動力となってきたのです。
具体的な成果を生む運動へ
この愛国競争運動、近年は単なるスローガンではなく、目に見える成果を生み出しています。
効率的な経済モデルの構築、行政改革の推進、科学技術や教育・医療の発展。特に目覚ましいのが、インフラ整備の分野です。
建設省のチャン・ホン・ミン大臣は、今月19日、全国234の重要プロジェクトの起工式で次のように述べました。
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「広範に展開された競争運動が、力強い行動の機運を生み出しました。国家インフラに明確な変化をもたらし、多くのプロジェクトが予定を前倒しで完成しています」
実際、ベトナム各地では「前例のない規模」のプロジェクトや、「初の試み」となる事業が次々と実現しています。
ファム・ミン・チン首相も、この運動の意義を強調しています。
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「競争運動は実効性と利益をもたらし、国の輝かしい歴史と伝統を体現しています。一つひとつの仕事、一人ひとりの中に愛国心を表現するものです」
暮らしを変える競争運動
この運動は人々の暮らしを大きく変えています。
南部のコンダオ島に住むグエン・ティ・フオンさんは、次のように語りました。
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「初めて国家送電網につながった時は、本当に嬉しかったです。電気が安定して使えるようになり、観光サービスを広げたり、事業を安定させたりできるようになりました」
離島でも安定した電力が使えるようになったことで、住民の生活基盤が大きく改善されたのです。
全国では今、さまざまな競争運動が展開されています。老朽住宅の建て替え、労働生産性の向上、デジタル変革の推進、環境に配慮したグリーン経済への転換。いずれも、国の発展という大きな目標と、一人ひとりの暮らしの向上を結びつけた取り組みです。
新時代への決意を示す大会
今回の第11回全国愛国競争大会のテーマは、「刷新・創造を競い、加速的に躍進し、国家を強大・文明・繁栄の発展時代へ」。
文化・スポーツ・観光省のチン・ティ・トゥイ次官は、大会の意義を次のように説明します。
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「大会は、政治システム全体、産業界、全国民の総合力を結集する重要な手段として、愛国競争を位置づける党と国家の強い意志を示すものです」
ベトナムは今、2026年から2030年にかけて、経済・社会のさらなる発展を目指しています。この大会は、その目標達成に向けた決意表明の場でもあるのです。
表彰の場にとどまらず、次の5年間への行動メッセージを発信する。各個人、各組織が、国家発展における自らの役割を再確認する。そんな大会になると期待されています。