(VOVWORLD) - ベトナム農業は飛躍的な発展を見せていますが、これからの課題は農業構造の転換をさらに促進させることです。
農業・農民・農村に関する第10期ベトナム共産党中央委員会第7回総会決議が展開されてから10年経ちました。近代的で持続可能な農業づくりを目指すこの決議の展開により、ベトナム農業は飛躍的な発展を見せていますが、これからの課題は農業構造の転換をさらに促進させることです。
ベトナムの農業の成長率は年平均2.66%に達しています。農業の発展により、ベトナムの食料安全保障が確保されたほか、農産物の輸出も拡大されています。また、新農村づくりが進められており、これまで、3千以上の地区が新農村基準を満たしているとして認定されています。そして、職業訓練を受けた農村部の労働者は720万人に達し、10年前と比べ、5.5%増となっています。
農業構造の転換を促進
農業構造の転換は、農業・農民・農村に関する第10期ベトナム共産党中央委員会第7回総会決議の展開において差し迫った課題とみられています。しかし、市場の新しい要求や気候変動は農業構造の転換のさらなる促進を求めています。特に、現在、ベトナムの農産物が180の国と地域に輸出されている背景の中で、農業構造の転換ビジョンの改正は必要とされています。これについて、農業農村開発省のグエン・スアン・クオン大臣は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムが優位に立っている農産物や、世界市場で需要が高まっている農産物に集中する方向に沿って農業構造の転換を加速させます。また、第4次産業革命のメリットを活用するなど科学技術の導入を進めて、農業生産の効果向上を図ります。そして、農業の工業化・現代化の要求に応えるため、農村部の労働者の育成を重視しなければなりません。」
世界市場で競争できる近代的な農業づくり
農業構造の転換は、世界市場で競争できる近代的な農業づくりを目指すものです。そのため、ベトナム農業の優位と世界市場のニーズを明らかにした上で、農業構造の転換を加速させる必要があります。チン・ディン・ズン副首相は次のように語りました。
(テープ)
「これからの課題は、国際市場で競争できるスマート・アグリカルチャーを構築することです。そのため、農業生産の効率や農産物の質を向上させることは重要です。また、気候変動に対応できる農業づくりです。これは、グローバル的な問題ですが、ベトナムは最も大きな影響を受ける国の一つです。また、農村部の経済を着実に発展させ、企業を農業への投資を奨励し、農業協同生産組合を農業の原動力の一つとされる必要があります。特に、農村部の人々を農業農村開発事業の主な対象者にしなければなりません。」
ベトナムは2020年をめどに、農業の成長率を年平均3%に、農村部の人々の収入を2015年の1.8倍に、効果的に活動する農業共同生産組合の数を1万5千にするなどという目標を打ち出しています。こうした目標を達成させるため、ベトナムは、国レベルの商品、省レベルの商品、一品一村モデルの商品という3つのグループに分けて、農業構造の転換を加速させる方針です。