ＶＯＶが選んだ2016年の国際の10大ニュース

2016年12月30日 | 16:00:00

１．イギリスがEUから離脱（ブレクジット）

6月に行われたEU＝欧州連合からの離脱か残留かを問うイギリスの国民投票が行われ、離脱への支持率が過半数を越し、イギリスがＥＵから離脱しました。これにより、EUはこの連合の重要な決定に有力な発言をもつメンバーを失いました。その上、イギリスのEUから離脱は世界における最大規模の共通市場としてのＥＵの地位を引き下げることになりました。

２．米大統領選で、トランプ氏が当選

11月のアメリカ大統領選挙で、共和党のドナルド・トランプ氏が民主党のヒラリー・クリントン氏を抜いて、第45代アメリカ大統領に選出されました。「偉大なアメリカを再び」という選挙スローガンを掲げたトランプ氏を選んだアメリカ有権者とそれを阻止する支持者に分かれたことに世界は驚きました。今、世界中がこのアメリカの行方に注目していますが、アメリカ経済がさらに発展し、失業率が低下し人々がよりよい生活を送れることだれもが望んでいます。

３．ベトナム東部海域の領有権問題に司法判断・中国は拒否

7月、ベトナム東部海域（いわゆる南シナ海）の領有権をめぐってフィリピンが中国を提訴した裁判で、オランダ・ハーグにある常設仲裁裁判所は「中国が独自に主張する境界線「9段線」の内側に対する中国の歴史的権利は1982年の国際海洋法条約に違反し、この海域にある資源に関する歴史権利について宣言を出す法的基礎がない」と強調し、しかし、常設仲裁裁判所の裁定にもかかわらず、中国はベトナムのホアン・サとチュオン・サ両群島を始め、ベトナム東部海域におけるエスカレート活動を行いました。具体的には、中国は人工島を拡張させ、そこに飛行機を派遣したり、ミサイル、レーダーを配備したりして、軍事演習を行い、依然として緊張が続いています。

４．2020年以降の地球温暖化対策「パリ協定」が発効

2016年11月、2020年以降の地球温暖化対策「パリ協定」が世界の温暖化ガス排出量のおよそ56％を占める73カ国の批准により、正式に発効。協定発効には55カ国以上が批准し、世界の温暖化ガス排出量の55％に達する必要があります。その前の4月、ニューヨークの国連本部で、１７５の国の代表が「パリ協定」に署名しましたが、これは世界各国が自国の利益を捨てて、地球温暖化防止という目標の実現に取り組む決意を示しました。

５．朝鮮半島情勢が複雑に推移

２０１６年１月早々、朝鮮民主主義人民共和国は水爆実験と主張する核実験を行い、9月、核実験を強行しました。2016年に入り、同国は各種ミサイルの発射試験を繰り返しました。国際社会は朝鮮民主主義人民共和国のこれらの核実験に反対し、これは東北アジア地域の情勢を緊張化したとしました。その一方、韓国は深刻な政治的危機に陥り、同国のパク・クネ大統領の職務権限が停止されました。

６．国連の次期事務総長にポルトガルのグテーレス元首相が選出

10月の国連総会で、次期事務総長にポルトガルのアントニオ・グテレス元首相を任命しました。任期は２０１７年１月１日から５年間です。次期事務総長の最大の試練は国連における団結を回復させることです。

７．世界に衝突を与えるパナマ文書の流出

世界の多くの国々の会社、政治家やスター的スポーツ選手、富裕層の関わりが具体的に暴露された事件です。匿名の人物から南ドイツ新聞の記者に渡された電子ファイル「パナマ文書」は国際調査報道ジャーナリスト連合が共有し、世界のジャーナリストたちが分析してきました。文書はパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」（ＭＦ社）が作成した１１５０万点の電子ファイルです。２１万余の法人名と、その株主や役員となっている企業や個人の名前と住所地を公表しました。

　　　　　　　　　　　　　　

８．フランスでのテロが欧州諸国に拡大

7月、フランス南部のリゾート地ニースで、フランス革命記念日を祝う花火を見物していた人の列にトラックが突っ込み、８４人が死亡、２０２人が負傷しました。また、12月、ドイツの首都ベルリンで、同様の突入攻撃が発生し、１２人が死亡、およそ50人が負傷しました。一方、3月にベルギーの首都ブリュッセルの空港や地下鉄駅で、計３回の爆発があり、少なくとも31人が死亡、230人あまりが負傷しました。