(VOVWORLD) - この3日間、タイの首都バンコクで、第35回ASEAN首脳会議が行われていましたが、ベトナム東部海域(いわゆる南シナ海)での情勢とCOC=海上行動規範は国際世論の注目を集めた議題となっています。
第35回ASEAN首脳会議の様子(写真:VGP) |
中国がベトナムの排他的経済水域を侵犯する複数の活動を展開する中で、これはASEANの価値観を再確認するものとみられています。第35回ASEAN首脳会議が全世界に伝えているメッセージは、「ASEAN内の団結強化・ASEANの中核的役割の維持・ベトナム東部海域をはじめ地域内諸国の持続可能な発展のための有利な条件づくり」ということです。
共通の利益のための海上での平和安定の維持
この数年間、ベトナム東部海域での平和・安定はASEANの共通の関心事となっています。国際社会の貿易・航行の活動の玄関とみられているベトナム東部海域では、近年、情勢が複雑に推移し、中でも、地域情勢を緊張化させる一方的な行為もあります。特に、最近、中国はベトナムの領海を侵犯する複数の行為を行っています。
これらの行為は、1982年国連海洋法条約に違反しています。また、ベトナムの国益だけでなく、ベトナム東部海域での航行の自由や、安全保障を脅かしています。この数か月、世界各国で、ベトナム東部海域問題に関する多くのセミナーが行われてきました。これらの席で、参加者らは最近のベトナム東部海域の緊張情勢に懸念を示すとともに、ベトナム東部海域、並びに緊張情勢の解決に際しての国際法の遵守の重要性を強調しました。
特に、今回のASEAN首脳会議と関連各会合でもこの問題が特別議題として取り上げられました。こうした中、中国の首相は第35回ASEANサミットで、「中国は、2020年にCOCを締結することを目指し、ASEAN諸国とともにCOCを交渉する用意がある」と言明しました。
共通の努力
この数年間、ASEANはベトナム東部海域問題を協議し、複数の宣言を発表してきました。その中で、海上での平和・安定・航行の自由などが強調されてきました。また、あらゆる紛争も1982年国連海洋法条約をはじめ国際法に則って平和的措置で解決する必要があると確認してきました。
これは、正しい路線と評されています。設立されてからこの52年間、ASEANは絶え間なく発展し、各大国の重要なパートナーとなっており、世界の多くの地域を結びつけつ懸け橋としての役割を果たしています。また、自強自力という精神を掲げて、グローバルな問題解決に積極的に貢献しています。
こうした中、ベトナム東部海域問題の解決はASEANの共通の任務とみられています。これを目指し、ASEAN諸国は団結・協調・連携を強化していく方針です。これは、国際社会におけるASEANの地位・役割の向上に役立つと評されています。