(VOVWORLD) - ベトナムとEUとの自由貿易協定と投資保護協定は双方の協力関係により大きな空間を作り出し、互いにバランスの取れた利益を与えるでしょう。
既にお伝えしましたように、6日、グエン・スアン・フック首相はEVFTA =ベトナムと欧州連合との自由貿易協定の実施に関するテレビ会議を主宰しました。会議には共産党、政府、各部門、地方、機関、ベトナム駐在EU=欧州連合加盟諸国の大使、代表機関の代表、ベトナムとEUの企業の代表ら多数が参加しました。
会議で発言に立ったフック首相は、ベトナムとEUとの自由貿易協定と投資保護協定は双方の協力関係により大きな空間を作り出し、互いにバランスの取れた利益を与えるであろうとの考えを示しました。また、EVFTAが実施されるのはベトナムの経済成長率を向上させることに寄与すると述べると共に、2025年にEUへのベトナムの輸出総額を42%増、2030年に45%増にするチャンスを切り拓くと明らかにしました。
これらのメリットを活用するための対策について、フック首相は、「EU市場は物品やサービスに関する厳しい基準を設置していることから、品質の低い製品やサービスは進出できない。そのため、ベトナムの企業は製品の品質の改善に力を入れなければならない」と求めました。
経済専門家によりますと、EVFTA協定は、ベトナムと欧州の各企業に多くのチャンスを与えます。ベトナムの企業は、約5億人の消費者を擁する広範な欧州市場に進出することが出来る一方、欧州諸国からの高品質な製品やサービスがベトナムで消費されるようになります。しかし、EVFTA協定は、チャンスが伴う反面、試練をもたらします。そこで、双方の企業は、EVFTA協定の恩恵を得るために、具体的な計画を主体的に立てる必要があるとしています。
新型コロナによるパンデミックが発生する前に行われた計画投資省の調査によりますと、EVFTAの履行により、ベトナムのGDP=国内総生産はおよそ3%増加する見通しです。また、世界銀行によりますと、この協定の恩恵により、80万人が貧困状態から脱出できるようになるとしています。
なお、EVFTA協定により、、EU原産品に対するベトナム側の関税は全品目の65%が発効と同時に撤廃、その他も最長10年の段階的な逓減期間を経て、最終的に約99%が撤廃されます。EU側もベトナム原産品への関税について71%が即時撤廃、残りも最長7年の逓減期間を経て撤廃を目指すとしています。