ADB、ベトナム経済成長率を6.8%

(VOVWORLD) - ADB=アジア開発銀行は3日、ハノイで、「ADO=アジア経済見通し2019年版」の発表に合わせて、2018年のベトナム経済の振り返り、2019~2020年の見通しに関する記者会見を開きました。
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 2019年のベトナムのGDP=国内総生産成長率は6.8%と、東南アジア6カ国で最高を維持すると予測しています。2018年9月時点の見通しを据え置きました。

2018年のベトナムのGDP実質成長率は7.1%で、2017年の6.8%を上回り、過去11年で最高を記録しました。世界経済と貿易の減速を背景に、2019年は6.8%、2020年は6.7%にやや鈍化すると予測されますが、6%台後半の高水準を維持するとの見通しです。

ADBベトナムのカントリーディレクター、エリック・シジウィック氏は、「輸出やFDI=外国直接投資、内需の激増に支えられ、ベトナム経済は成長を維持する。政府が進める経営環境の改善と投資誘致に向けた改革も経済成長に弾みをつけるであろう」と述べました。2018年末に発効したCPTPP=包括的かつ先進的環太平洋連携協定と年内の発効が見込まれるEU=欧州連合とのFTA=自由貿易協定が改革を後押しして、貿易と投資流入の拡大につながるとの見解を示しました。

一方で、ベトナムの経済成長には依然としてリスクが残ると指摘しています。外的要因としてベトナムの主要輸出先であるEUやアメリカ、中国の景気後退、内的要因として国営企業の株式化の遅れと、国内企業の大半を占める中小企業がグローバル・バリュー・チェーンに参入できていないことを挙げました。

シジウィック氏は、米中貿易摩擦による影響について、「ベトナムは恩恵を受けると見込まれているが、その恩恵はすぐに生じるものではなく、ベトナムの生産性や競争力などによる」との見方を示しました。

さらに、インフレ率ついては、2019年が3.5%、2020年が3.8%で、いずれも政府目標の範囲内に収まると予測しています。

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