アメリカ・中国貿易協議

(VOVWORLD) - アメリカ・中国貿易戦争の解決を目指してアメリカの首都ワシントンで行われていた閣僚級の貿易協議をめぐり、中国の国営新華社通信は25日、「大きな進展があった」と伝えました。したがって、双方は、技術移転や、知的所有権の保護、非関税障壁、サービス業、農業、為替相場などの分野で、一致を見せています。

トランプ大統領は24日、ツイッターで、知的財産権の保護などの問題を巡る米中貿易協議で、「大幅な進展があった」とつぶやきました。さらに、来月2日に予定している日本円で22兆円相当の中国製品に対する関税引き上げを延期すると表明しました。そのうえで、最終合意のためにトランプ大統領の別荘で習近平国家主席との首脳会談を開く考えを改めて示しました。

ひとまず貿易紛争の激化は回避された形ですが、関税問題だけでなく、ハイテク技術を巡る問題などでも決着できるかは見通せない状況です。一方、新華社は両国代表団について、トランプ氏と習近平中国国家主席が昨年12月の首脳会談で貿易戦争の休戦に合意した際に「到達した重要なコンセンサスの実現に一歩近づいた」と評価し、双方が「両国首脳の指示に沿って今後の措置を実施していく」ことで合意したとしています。

米中貿易戦争は2018年半ばから発生しました。これまでの措置も含めて、双方で年間3600億ドル(約40兆3千億円)の貿易に関税を上積みしています。また、両国が合意を達成しなかった場合、さらに激化していく可能性があります。

今回の協議の結果を受け、中国といくつかのアジア国の証券市場は、積極的な兆しを見せており、25日の上海株式相場は大幅に続伸しています。上海総合指数の終値は先週末に比べ5.60%高と節目の2900台を回復し、昨年6月15日以来およそ8カ月ぶりの高値となりました。上昇率は2015年7月9日(5.76%)以来の大きさでした。

一方、上海外国為替市場の人民元相場は、対米ドルで2018年半ば以来の高値に上昇しています。具体的には、中国国内スポット市場の人民元は一時、1ドル=6.67元まで上昇し、昨年7月以来の高値を付けました。トランプ米大統領が米中通商協議に進展があったとして、対中関税の引き上げを延期すると表明したことが好感されているとみられています。

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