イギリスは１月31日午後11時に、ＥＵ＝欧州連合を離脱しました。2016年6月の国民投票から３年半以上を経て、ようやくブレグジットにこぎつけ、EUから47年にわたる加盟の歴史に幕が引かれました。加盟国が抜けるのは初めてのことで、2013年以降は28カ国で歩みを共にしてきたＥＵは27カ国に減少しています。

イギリスのジョンソン首相は離脱時刻の１時間前にテレビで放映されたメッセージで、「政府と自分の仕事は国を団結・前進させること」と強調しました。ブレグジットは「終わりではなく始まり」であり、「夜明けが訪れ、新たな舞台の幕が上がる瞬間だ」と訴えました。一方、最大野党・労働党のコービン党首は声明で、イギリスは内向き志向にならず、「真に国際的で多様な外向き志向の国を目指す必要がある」と指摘しています。

イギリスは2016年の国民投票で、ＥＵ離脱を決定しました。ただ、離脱が52％、残留が48％の差だったため、国内ではその後も、ＥＵ離脱派と残留派の対立が続いていました。ＥＵ残留派を率いたキャメロン元首相が身を引き、後任のメイ前首相はＥＵと離脱協定で合意したものの、野党勢力のみならず、与党・保守党の強硬離脱派などからも支持を得られず、同協定の批准に失敗し辞任しました。

大きな期待を背負って登板したジョンソン首相が、昨年10月にＥＵと新たな離脱協定で合意し、12月の総選挙で保守党が大勝したことで、ようやくイギリス内での足踏み状態が打破され、今月23日に英議会でＥＵ離脱協定の批准を実現しました。これを受け、30日に欧州議会も同協定を批准し、ブレグジットに向けた全ての手続きが完了していました。

アナリストらによりますと、今後は１１カ月間の移行期間を迎え、ＥＵとの長い通商交渉も行われ、イギリスとEUとの関係は多くの問題に直面する可能性があると予測しています。