(VOVWORLD) - 先週、イギリスの議会下院総選挙の投開票結果によりますと、最大野党・労働党が議会下院の650議席のうち400議席を超える大勝を収め、14年ぶりとなる政権交代が決まりました。
4日に行われたイギリスの総選挙は開票作業がほぼ終わり、議会下院の650議席のうち、最大野党だった労働党が412議席と議席数を2倍に増やして過半数を獲得し、14年ぶりの政権交代を果たしました。
大勝を収めた労働党のスターマー党首(61)は5日、チャールズ国王から新内閣の組閣を正式要請され、首相の座を引き継ぎました。スターマー氏は英国民に対し、「より穏やかな海」へと国を導く方針を約束しました。スターマー氏は英国史上最大規模となる多数派議席を確保して首相の任期をスタートさせました。広範囲に影響が及ぶ改革プログラムを導入するとみられています。首相として初めて首相官邸前から演説したスターマー氏は、変化は今すぐ始まるという包括的なメッセージを打ち出しました。そして「失われた政治への信頼はことばではなく、行動でしか取り戻せない」として14年間の保守党政権下で生じた政治不信への解消にも取り組む方針を示しました。ただ、イギリスは債務残高が過去60年余りで最も高い水準となるなど厳しい財政状況が続いていて、経済成長を実現し、国民の生活実感を向上させられるかが最大の課題となります。
一方、与党だった保守党は121議席で、トラス前首相や、シャップス国防相なども落選する厳しい結果となり、スナク首相は後任が決まりしだい党首も辞任する意向を明らかにしました。
スターマー氏は国内で変化をもたらすと確約する一方、住民への生活の質的向上や減税政策、不法移民などに関する問題の多くを早期に解決すると明確に表明しました。外交面ではスナク氏の政策を踏襲するとみられています。