(VOVWORLD) - 先週、ベネズエラでは、マドゥロ大統領と対立するグアイド国会議長が暫定大統領に就任すると宣言し、アメリカなどが支持する一方、大統領側はアメリカと外交関係を断つと発表して混乱が広がっています。
マドゥロ政権の正統性を認めないアメリカ政府は退去命令を無視しており、マドゥロ氏の対応が注目を集めていました。
ベネズエラのマドゥロ大統領は24日、アメリカ内にあるすべての大使館と領事館を閉鎖すると発表しました。マドゥロ氏は23日、アメリカとの外交関係を断つと表明し、アメリカ大使館職員に72時間以内に国外退去するよう要求しました。
アメリカは、マドゥロ大統領は不正な選挙で選ばれ、アメリカとの外交関係を断つ正当な権限がないと主張し、さらに圧力を強めていく構えを見せています。
アメリカは、2010年から、ベネズエラに複数の制裁措置を適用し、両国はそれぞれの首都で大使官を開設しません。
マドゥロ大統領と、暫定大統領就任を宣言した反体制派のグアイド国会議長が対立している問題で、ベネズエラの駐米武官が26日、マドゥロ氏に反旗を翻してグアイド氏支持を表明しました。マドゥロ氏の後ろ盾である軍の高官がグアイド派に寝返ったのは初めてでした。駐米武官のホセ・シルバ大佐は、インターネット交流サイトなどで公開した動画で、「ベネズエラ国民、特に軍の兄弟たちは、正統な大統領はグアイド氏だけであることを認めてほしい」と呼び掛けました。
これに対し、グアイド氏はツイッターで「大佐や、憲法とベネズエラ国民の民意に忠実であろうとする人々を歓迎する」と述べ、マドゥロ氏からの離反を促しました。
そして、アメリカやカナダ、コロンビア、パラグアイ、ブラジル、チリ、アルゼンチン、ペルーなどの国々とOAS=米州機構は、グアイド氏支持を表明しました。その一方で、キューバやメキシコ、ウルグアイ、トルコ、ロシアなどはマドゥロ氏を支持する立場を表明し、クーデターの陰謀を非難しています。