(VOVWORLD) -先週、ニューヨークの国連本部で、第74回国連総会の枠内で、「ハイレベルウイーク」が行われました。
中でも、気候変動や、持続可能な開発目標の確保、アメリカ・イランの緊張関係、米中貿易戦争などは加盟諸国の注目を集めました。
週明けには、気候変動問題が討議されました。会議冒頭では、グテレス国連事務総長は、「今回は対話でも交渉でもなく、行動するためのサミット」とし、各国に具体的な計画を提示するよう求めました。これに対し、60か国以上の指導者らや、企業経営者は、気候変動対応のために行動すると確約しました。
一方、先週、持続可能な発展に関する会議は多くの成果を収めました。国連が2030年までに実現を目指す持続可能な開発目標に向けた取り組みの進捗状況を報告する初の首脳級会合が24日と25日の両日、ニューヨークの国連本部で行われました。目標達成に向け、災害リスクの軽減や科学技術の活用などに取り組み、行動を加速させる必要があるとする政治宣言を採択しました。
他方、アメリカ・イランの緊張関係に関し、24日、国連総会で演説したアメリカのトランプ大統領は、「平和を愛する国々にとって、安全保障上の脅威の1つはイランである」と指摘したうえで、「テヘランへの制裁措置を強化していく」と警告しました。
これに対し、イランのロウハニ大統領は25日、国連総会の一般討論演説で、「制裁を科されたまま交渉することは拒否する」と述べ、アメリカが制裁を解除しない限り交渉しないとの従来の立場を繰り返しました。
米中貿易戦争に関し、トランプ大統領は24日に国連総会の一般討論演説を利用し、中国の貿易慣行に対する不満をあらためて表明しました。そのほか、ベトナム東部海域(いわゆる南シナ海)問題も加盟諸国の特別な注目を集めました。
現地時間の28日、ニューヨークの国連本部で開催中の第74回国連総会の討論会で、ベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相は演説を行い、その中で、ベトナム東部海域での紛争に触れ、関係各側に対し、国際法を順守するよう要請しています。
ミン氏は、「国際法の尊重は、あらゆる紛争の効果的な解決策である。ベトナムは、あらゆる紛争も国際法に則って平和的措置で解決するという立場を堅持している」と強調しました。ミン副首相兼外相は、国連憲章と国際法の重要性を強調するとともに、「これは各国の平等権を確保する土台である」と確認しました。