米とEU間の緊張の深刻化

(VOVWORLD) -EUの動きに対し、アメリカ側は「誤った時期の誤ったメッセージだ」と批判しました。

EU=欧州連合は23日、イランの民間部門支援のため、1800万ユーロ(約23億円)の援助計画を決定しました。この援助は2015年の核合意後、イランの経済や教育・文化、気候変動対策などを対象にEUが約束した総額5千万ユーロの対イラン支援の第1段階となっています。EUの動きに対し、アメリカ側は「誤った時期の誤ったメッセージだ」と批判しました。このことにより、緊張情勢にあるEUとアメリカとの関係はさらに深刻化されています。

この段階では、イランの中小企業に対する支援と、イランの貿易振興機関に対する技術支援にむけた800万ユーロの支援が行われるということです。また、800万ユーロが環境保護プロジェクトに、200万ユーロが麻薬対策に使われるとされています。EUの代表は、「EUはイランとの協力を守っており、この一連の支援金は、イラン、特に民間部門における、よりいっそうの参入を奨励するもので、最終的にイランとの経済関係は改善する」としました。しかし、アメリカがイランへの経済制裁を再発動した中で、EUのこのような行動は、EUとアメリカとの緊張な関係を激化ています。欧州の各企業を含む複数外国企業は、アメリカの対イラン制裁再開により、収益が見込めないことを理由に挙げて、イランから脱退する計画を発表しました。20日、イラン南部のペルシャ湾海底にある巨大ガス田「サウスパルス」の開発に乗り出していたフランスの大手石油トタルが、正式に契約から撤退したと発表しました。また、フランス航空大手のエールフランスと、イギリス航空会社ブリティッシュ・エアウェイズも、イランの首都テヘランへの乗り入れを来る9月に休止すると発表しました。

これらの動きはアメリカの対イランア経済制裁に加えて、イランの経済を左右しています。インフレ率が高くなり、イランの通貨リアルが著しく下落し、イラン政府に対抗するデモ行進が相次いでいます。EUのイランへの支援金は巨額ではありませんが、現時点でイランにとって極めて重要な意義を持っています。

EUがイランを支持することは、EUとアメリカ間の緊張情勢が激化していることを示しています。アメリカが地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」、または、イランとの核合意からの離脱を発表したこと、そして、鉄鋼アルミニウム輸入関税などの問題で、EUとアメリカの間には多くの矛盾が引き起こしています。

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