(VOVWORLD) -先週、韓国国防部の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)長官とアメリカのエスパー国防長官は、タイのバンコクで開催されたASEAN=東南アジア諸国連合拡大国防相会議で会見した際に、訓練の延期を決めました。
米韓合同の空軍演習はここ数年、朝鮮民主主義人民共和国に配慮して規模を縮小して実施されてきましたが、朝鮮民主主義人民共和国は強く非難してきました。
会見後行われたチョン・ギョンドゥ国防相との共同会見で、エスパー国防長官は延期方針について「譲歩だとは考えていない。和平の実現に向けた信念のある取り組みだ」と説明し、朝鮮民主主義人民共和国が今回の決定を踏まえ、同様の善意を示し、前提条件なしで、ためらうことなく交渉のテーブルに戻ることを促す、と述べました。両国の演習は数日以内に実施される予定でした。
米韓軍は今月中に戦闘機などを投入した航空演習を実施する計画でしたが、朝鮮民主主義人民共和国側は強く反発しました。朝鮮民主主義人民共和国の国務委員会の報道官は「われわれの自主権と安全環境を脅かす物理的な動きが目前に出てきた以上、これを制圧するための応戦態勢を取るのは主権国家の自衛的権利だ」と訴え、軍事的な対抗措置を取ることも示唆していました。
非核化をめぐる米朝実務協議の朝鮮民主主義人民共和国首席代表を務めるキム・ミョンギル(金明吉)巡回大使によりますと、アメリカ側は12月中の協議開催の意向を朝鮮民主主義人民共和国側に伝えており、米韓演習の延期を受けて、対話再開に向けた雰囲気が醸成される可能性もあります。
ただ、金大使は協議の用意があるとしつつも、「アメリカは満足な回答を与える準備ができておらず、対話提案は時間稼ぎをする術策としか判断できない」と述べ、アメリカ側に譲歩を要求しました。朝鮮民主主義人民共和国側が交渉期限とする「年末」が迫る中、12月の実務協議が実現するかは依然として不透明です。