7月6日の一週間の主な国際ニュース

* ギリシャ政府は10日、EU=欧州連合から金融支援を受ける前提条件となる新たな財政再建案を提出しました。年金改革や消費税にあたる付加価値税の増税などEU側の要求に大きく歩み寄った内容となっています。ギリシャ政府はこれと引き換えに、3年間で535億ユーロ(約7兆2000億円)にのぼる金融支援を受けたい考えです。しかし、12日と13日の両日ブリュッセルで開催中のギリシャへの支援再開をめぐるユーロ圏首脳会議は難航しています。ギリシャに不信感を抱くドイツなど一部の国は支援再開を決める前にまずはギリシャ議会で再建案を確実に実行するための法整備を今月15日までに行うよう求めています。

* ウクライナ東部で去年7月、マレーシア航空機が撃墜された事件からまもなく1年になるのを前に、マレーシアで追悼式が開かれ、ナジブ首相や遺族、同航空関係者ら約1000人が参加しました。ナジブ首相はあいさつで「技術と犯罪の両面から調査を進めている」と指摘し、オランダ安全委員会による最終報告書が10月初旬にも公表されるとの見通しを示しました。

* 8日から10日にかけて、ロシア中部のウファで、中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカの新興5カ国でつくるBRICSとSCO=上海協力機構首脳会議が行われました。BRICSとSCO加盟20カ国の首脳らはこのサミットに出席し、経済、政治関係の強化策、全面的発展計画の立案、外貨準備などについて集中的に討議しました。特に、ロシアの提案により2006年に設立されたBRICSは重要な役割を果たしており、世界の経済と政治に大きな影響を及ぼすものと見られています。ロシアと欧米諸国との関係の緊張が続いている背景の中で、今回の首脳会議はロシアにとって重要な意義を持つとされています。

* 先週、世界各国のマスメディアは、ベトナム共産党のグェン・フー・チョン書記長によるアメリカ公式訪問について大きく報道しました。この訪問はベトナムとアメリカの関係に新しいページを切り拓く重要な節目で、旧敵が友だちになれるとの強いメッセージを世界に送ったとの報道でした。

* イランの核問題をめぐる欧米など6か国とイランの交渉期限が13日まで延長されることになりました。6月末以来、3度目の延長です。協議の状況について、アメリカのケリー国務長官は、「期限より合意の質にこだわりたい」と強調しました。イランのザリフ外相も、「自ら交渉の場を去る気はない」と述べていて、双方が期限にこだわらず、相手の譲歩を待つ「にらみ合い」の状態が続いています。

* 中国がベトナム東部海域いわゆる南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張していることに対して、フィリピンが国際法上、認められないとして、国際的な司法判断を求めている裁判の口頭弁論が、7日にオランダで始まりました。今回の弁論は、仲裁裁判所に管轄権があるかを判断するために行われ、13日まで続く予定です。裁判所が今後、自身に管轄権があると判断すれば、その後、ベトナム東部海域を巡る中国の主張について、本格的な審理が始まることになります。

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