*先週、トランプ大統領がイスラム圏7カ国からの入国を禁止する大統領令に署名したことに対する批判と混乱が政府内部にも広がりました。司法省トップのイエーツ司法長官代行は、大統領令に従わないよう同省に指示し、直後にトランプ氏はイエーツ氏を解任しました。抗議の動きが国務省の現職職員にも拡大しました。大統領令が違憲だとする提訴の動きも相次いでおり、西部ワシントン州は、州として初めて提訴に踏み切りました。
*トランプ大統領が命じたイスラム圏7カ国からの入国禁止措置を巡り、当該国のイラクのアバディ首相は先週、首都バグダッドでの記者会見で「決定はイラク国民と国家に対する侮辱だ」と激しく反発しました。また、国連ではドゥジャリク事務総長報道官が、「国連はアメリカが速やかに入国禁止令を解除するよう望む」と表したほか、グテーレス事務総長が声明を発表し、「各国は国境を管理し、テロ組織の入国を阻止する権利と義務を持っている。しかし、それは宗教、民族、国籍による差別ではない」と示しました。
*先週、マルタで開催中のEU=欧州連合非公式首脳会合で、加盟28カ国の首脳は、「マルタ宣言」を発表し、辺境警備を強化すると同時に、リビアなど北アフリカとの協力を強めて、地中海中部を通ってEUに入る移民を抑えるなど、不法移民の流入を抑制することを改めて表明しました。EUは去年3月、エーゲ海経由で入る中東からの難民を抑制するためトルコと合意し、効果を上げていますが、依然として地中海中部を経由してEUに入る北アフリカからの難民が増えている傾向にあります。
*アメリカのマティス国防長官の日本訪問で日米同盟の強化で一致したことを受けて、今月10日の日米首脳会談で、こうした認識を首脳どうしで確認するとともに、今後、同盟強化に向けた防衛力整備の在り方を検討していく方針です。一連の会談では、日米同盟を強化し、安全保障上の課題に協力して取り組んでいくことで一致し、安倍総理大臣や稲田防衛大臣は、日本として防衛力を強化し、役割の拡大を図っていく方針を伝えました。
*先週、過激派組織「IS=イスラム国」の拠点シリア北部ラッカの奪還を目指し、アメリカ軍の支援を受け地上作戦を続ける民兵組織「SDF=シリア民主軍」は、ISを包囲し孤立させるため、ラッカの東方に進軍し、作戦は第3段階に入ったと発表しました。