5月21日から一週間の主な国際ニュース

* 先週、EU=欧州連合首脳は非公式首脳会議を開催し、雇用や成長促進策、ギリシャ問題などについて議論しました。首脳らはギリシャに対し、支援プログラムの条件である緊縮策の継続と改革の実行を求めましたが、一方でユーロ圏当局者はギリシャのユーロ圏離脱に備え、個別対応策を用意する必要があるとの認識で一致していたことがわかりました。

* 国連シリア監視団のムード団長は26日、シリア軍が25日から26日にかけて西部ホムス近郊フーラで行ったとみられる砲撃で、10歳未満の子供32人を含む92人以上の死亡を確認したと発表し,「残酷な悲劇を最も強い言葉で非難する」と述べました。シリアでアサド政権と反体制派の「停戦」が4月12日に発効して以来、1回の攻撃での住民被害としては最悪です。英国、フランスなどはアサド政権による「虐殺」だと非難しました。停戦や監視団の活動の実効性に対する疑問が一層強まっています。国連安全保障理事会は緊急会合を開く方向で調整を始めました。

* NATO=北大西洋条約機構の首脳会議が先週、アメリカのシカゴで開催されました。首脳会議はNATOの集団安全保障体制の新たな節目となる欧州ミサイル防衛(MD)の稼働を宣言し、暫定的ではあるが防衛能力を提供できるようになったとしました。この件に関して、ロシアは安全保障を脅かすとして断固反対する姿勢を示しています。

* 朝鮮民主主義人民共和国の国営メディアは、現時点で核実験の計画はないと改めて示唆しました。これは、同国の国営の朝鮮中央通信が先週、論評として伝えたものです。日本やアメリカ、韓国に加えて、朝鮮民主主義人民共和国の友好国である中国やロシアなども強く自制を求めている3回目の核実験について、論評は「われわれが想定もしなかった問題」とし、現時点で実施する計画はないことを改めて示唆しました。そのうえで、野田総理大臣らが、核実験を含む朝鮮民主主義人民共和国による挑発を阻止するため、日本、中国、韓国の首脳による「日中韓サミット」や、G8サミット=主要国首脳会議などを通じて連携を確認したことを取り上げ、「日本の軽率な『核実験』説は、われわれに対するアメリカの敵視政策に追従したものだ」と非難しました。24日、アメリカ政府で北朝鮮問題を担当するデイビース特別代表と会談し、北朝鮮が非核化などに向けた具体的な行動をとれば対話に応じることも検討すると確認したことに論評は触れておらず、朝鮮民主主義人民共和国としては、日米両国の出方を慎重に見極めようとしているとみられます。

* 先週、ASEAN東南アジア諸国連合の高官たちは南シナ海すなわちベトナム東海部におけるCOC行動規範の作成を目指す草案を発表しました同草案は来る7月開かれるASEAN諸国の外相会議で採択され、そして中国側と交渉を行う予定です。COCは地域内の平和、安定の維持並びにASEANと中国の友好協力関係の強化に寄与しています。

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