7月23日から一週間の主な国際ニュース

* 内戦状態に陥ったシリアでは、政府軍が第2の都市アレッポを制圧しようと大規模な攻撃を行っているのに対し、反政府勢力側も一部で反撃に出るなど、激しい攻防が続いています。シリア北部の商業都市アレッポでは、反政府勢力側の地区を制圧しようと、政府軍が大規模な軍事作戦に乗り出していて、29日も戦車や戦闘機を投入して市街地への爆撃を繰り返しています。これに対して反政府勢力側の自由シリア軍は、政府軍の地上部隊の侵入を阻もうと各地で攻防戦に当たる一方で、一部では政府軍の拠点を攻撃するなど反撃に転じているということです。一方、アサド政権を支援するイランを訪問中のムアレム外相は記者会見で、「反政府勢力はアレッポで打ち負かされる」と述べてアレッポ制圧まで軍事作戦を継続すると強調し、戦闘はさらに激しさを増す情勢となっています。

* 日本の玄葉光一郎外相は28日のラブロフ・ロシア外相との会談で、同国のメドベージェフ首相の国後島訪問に遺憾の意を伝えました。玄葉氏はその後の記者会見で「国民感情への配慮が必要」と強調しました。これに対し、ラブロフ氏は「第2次世界大戦の犠牲の結果、北方四島が自国領になったのは、ロシアの法と正義の立場だ」と主張しました。

* イラクの首都バグダッドなど十数都市で先週、自動車爆弾の爆発や武装勢力による襲撃が相次ぎ、少なくとも107人が死亡し、 268人が負傷しました。1日に100人以上が死亡したのは10年5月の連続テロ以来で、イラク当局は国際テロ組織アルカイダ系武装勢力による攻撃とみています。

* イランの核開発問題を巡り、近く、イランと欧米側の交渉責任者の話し合いが行われることになり、双方の溝をどこまで埋めることができるのか注目されます。交渉が難航しているイランの核開発問題の進展に向けて、欧米など6か国の代表を務めるEU=ヨーロッパ連合とイランは、24日、トルコのイスタンブールで次官級の会合を行いました。イランと欧米側はことし4月から協議を行っていますが、欧米側が核兵器の開発につながるおそれがあるとして、濃縮度20%のウランの製造の停止を求めているのに対し、イラン側は核の平和利用の権利を主張し、双方の溝は埋まっていません。

* パキスタンのザルダリ大統領は8日、インドを初訪問し、ニューデリーでシン首相と会談し、シン氏にパキスタン訪問を要請しました。シン氏は「双方の適当な時期に喜んで訪れる」と応じ、招待を受け入れました。両国の首脳会談は2009年6月以来、約3年ぶりです。訪問が実現すれば、ともに核兵器を持ちながら対立する両国の関係は大きく改善します。しかし、パキスタンに国内のイスラム過激派対策の徹底を求めるインド側には、訪問に慎重な意見もあり、曲折が予想されます。会談後の記者会見で、シン氏は「2国間問題について建設的な意見交換をした」と述べ、両国が争うカシミール地方の領有権問題などを議論したことを明らかにしました。会談はザルダリ氏のイスラム教宗教施設への私的訪問に伴って行われました。

* アメリカの大統領選の共和党候補となるミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事が副大統領候補を指名する締め切りまでまだ6週間あるものの、ロムニー氏が早ければ来週にも指名を発表するとの憶測が飛び交っています。前回の大統領選では、同党の指名獲得が確定したジョン・マケイン上院議員が、サラ・ペイリンアラスカ州知事(当時)を副大統領候補に指名し、人々を驚かせました。ロムニー氏がマケイン氏のように意表をついた人選を行うのか、それともそうした推測の裏をかいて安全かつ堅実な人材を指名するのかに注目が集まっています。副大統領候補として有力視されているのは、次の9人でロムニー氏はそれぞれの一長一短を比較検討し、続投を目指す民主党の現職バラク・オバマ大統領と対決することになります。

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